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金川研日誌(8/5)

今年2月に配属された学類4年生に日誌を書いてもらいました。日本に来て4年目の留学生であり、日本語に不慣れな面がありますが、当該学生の個性が映えるよう、科学的に明らかな誤り以外はあえて直さずに掲載することとしました(金川)。


こんにちは、私は現在金川研究室のB4です。今やっているテーマは「リン脂質シェル(phospholipid shell)の座屈(buckling)と破裂(rupture)による、(多数気泡を含む液体の中に)超音波の伝達にどんな影響がありますか」です。

実は、金川研究室を選択した時、私の注意を引き付けたのは、このテーマというよりも、金川研究室で使用している手法: 摂動法(perturbation theory)と多重スケール解析(multiple scale analysis)でした。高校と大学(数学系と物理系以外)を学んだ数学は、「精密科学」(exact science)です。私に対して、「精密科学」は「真」を持ちます。一方で、摂動法と多重スケール解析は「近似数学」(approximate mathematics)です。近似なので、100%ただしい解を得ることが必要がなくて、自由度がもっと高くて、もっとクリエイティブな解き方もできます。その上、精密解を得ない問題には、近似解のおかげで、たくさん情報を得られます。わたしに対し、「近似数学」は「真」だけでなく、「美」も持ちます。関心する人はYoutubeに「Prof. Carl Bender – Mathematical physics」の授業をご覧でください。

私は、まだ「超音波の伝達」の知識が深いというまでもないですが、「この世界を解決する一つのステップ」ですので、熱心に研究します。自分の興味は、頭の中で「物理、数学、化学の世界」を作ることです。その結果、先生や先輩らや友達(他の専門も)などとアイデアや意見を交換する時、子供がおもちゃをジャグリングするように喜びます。特に、私のアイデアと意見を否定・批判される場合にも、私は悲しくはありません。理由は、私に対して「科学について話すだけ」ですので、自分のエゴに関連までもないと思うからです。そのために、いつにも科学のアイデアを楽しんで交換することができます。(例としてFun to Imagine – Richard Feynman)

楽しんで研究をやりますが、責任を持たなければなりません。科学・エンジニアは継承性があるので、(私に対して)研究するとき、前の研究者や現在の研究者の頭の中の世界を一歩一歩で探検していると感じます。そのために、自分の結果を責任を持つのは自分だけでなく、前の研究者、他の研究者、「真」、「美」を尊敬すると思います。

現在、上記の気持ちで学会に向けてスライドや背景の知識を準備します。心配もありますが、他の学生、他の先生の研究・アイデアを聞けるので面白いと思います。将来的には、違う教育制度、違う考え方の他国の学生・先生にも会ってみたいです(B4)。

JKA研究補助

公益財団法人JKA 2022年度 機械振興補助事業 研究補助 若手研究に採択され、ご助成を頂くこととなりました(2,000千円、2022年4月から2023年3月)。

   

Twitter

金川研のアカウントを作成しました。HPとの住み分けは考え中で、研究室以外に、講義や金川個人のことも発信しようかとも思っています。また、HP内に埋め込めたいのですが、サイトの他の不具合のメンテも含め、手が回っていません。

 

 

 

研究室日誌

12月12日に金川研の忘年会が駅前の塚〇農場で行われた.M1の就活やB4・M2の卒論の忙しさを考慮し早めに日程が決定され,8名(M1の2名が都合がつかず不参加)での開催となった.筆者は3回目の金川研忘年会だが,メンバーも増え忘年会にも盛り上がりが出てきたことは大変喜ばしい.いつもは金川先生が店員さんを質問攻めにしながら料理をオーダーしていたが,今回はコースで予約していたようで,料理はどれもおいしくお酒も進んだ.前週にサンディエゴで開催された国際学会の話題になると,早期卒業生で国際学会に初チャレンジしたB3のマイペースな珍行動エピソードが全員の爆笑を誘った.学会の出張は毎回一部の学生+金川先生で行っているが,その時のエピソードを飲み会の場で面白おかしく他のメンバーに話すのは恒例行事と化してきていて,学会参加が多いため2時間の飲み会でネタが尽きることはない.なお,今回は金川先生提案で初めて2次会が開催され(Bivi内の居酒屋),M2(筆者も)とM1が2名ずつ,計5名が参加した.筆者は(眠かったため)2次会への参加を始めは渋っていたが,1次会で席が離れていてあまり話せなかったM1の2名と2次会で結構話せたので,今後の開催も有りかもしれないと考えを改めた(筆者は3月で卒業するが).金川先生はバスの時間があるとのことで,最後にプリンを飲むような勢いで召し上がってお店を後にされた(なんと2次会代は全額出していただきました,ありがとうございます).学生4名もその後30分ほどでお開きとなり,23時頃帰宅の途についた(大変健全な研究室である).文責:ヨシタカ

国際学会参加記

178th Meeting of the Acoustical Society of America (米国音響学会秋季研究発表会)@米国カリフォルニア州サンディエゴ、2019年12月2日から6日に参加し、学生5名と金川が Physical Acoustics セッションにて口頭発表を行いました。
(金川)


12/6に行われた米国音響学会秋季大会にて発表を行うため、12/2から12/7までアメリカのサンディエゴへ行きました。
私はこれまで国外に行ったことがこれまで無かったので、飲食店で料理を注文したりバスに乗れるかなどを心配していましたが、杞憂でした。アメリカの人々はとても親切で、自分の拙い英語を理解しようと努めてくれたり、バスの乗り方を教えてくれたりしたので、安心して観光することができました。観光した場所は、海軍航空博物館、自然史博物館、人類博物館、シーポートヴィレッジ(海岸の綺麗なショッピングモール)、オールドタウン州立歴史公園(開拓時代の町並みが再現されている公園)などです。食事は、アメリカらしいものを食べたいと思っていたので、ハンバーガー、ステーキ、ブリトーなどを頂きました。アメリカの食べ物は不味い?と思っていたのですが、全くそんなことはなく、濃いめの味付けでとても美味しかったです。
自身にとっては2度目の国際学会ですが、一度目の国際学会は仙台でしたので、国外で行われるものに参加したのは初めてでした。発表会場は、大変歴史ある、ゴージャスな雰囲気が漂うリゾートホテルでした。(なんと築130年!)発表自体は2度目でしたので落ち着いて発表することができましたが、ネイティヴの英語はTOEICよりも圧倒的に早口で、質疑応答では一度で聞き取ることができずに何度も聞き返してしまいました。来年度の国際学会に向けて、リスニング力の強化が課題となりました。
発表後は、全員で近くのシーフードレストランへ行き、昼食をとりました。サンディエゴは港町ということで海鮮がとても美味しく、ムール貝やタコ、カジキなどをたくさん頂きました。ただ、先生一押しの生ガキだけはどうしても口に合いませんでした。せっかくオーダーしていただいたのに、申し訳ないです。お会計の大部分を先生に出して頂きました。ごちそうさまでした。 (学生)

学会参加記

10月17、18日と京都大学数理解析研究所での非線形波動の研究集会に参加し、私の行っている卒業研究の途中経過を発表した。 私にとっては初めての研究発表であり、緊張や不安しかなかったが、事前のスライド作りや発表練習などで、金川先生のアドバイスを多数もらえていたために、発表自体には大きな失敗はなかったと思っている。しかし、質疑討論では、聴講者だった先生方からの質問に対して、ちゃんと答えられたものはほぼなく、金川先生の助け舟に頼り切ってしまう部分が多く、自分の研究内容や、金川研の研究背景に対する知識の少なさや理解不足を痛感した。 今回の研究発表に参加したことで、上述の理解不足を認識できた他、4年生の現段階で研究発表を行ったことがあるという経験が、卒業研究に対するモチベーションをかなり高めてくれたので、今後の研究により邁進していきたいと思う(4年生A)。

卒論発表会・打ち上げ兼新歓

新B4に卒論発表会の感想と打ち上げ兼新歓の感想を書いてもらいました。


現4年生の卒論発表を来年金川研究室に配属予定の現3年生である私と同期で聞きに行った。率直の感想としては卒論の内容がとても難しく、来年の同時期に私たちも同じような卒論発表をすることができるのかどうかとても不安を感じた。しかし、私たちも先輩二人のような立派な卒論発表が1年後にできるように頑張ろうというモチベーションを得ることもでき、今後が楽しみにもなった。(文責:M)


2/16に卒論発表会の打ち上げ会、兼新4年生の歓迎会を行った.お店は鹿児島の地鶏料理がメインで、炭火焼きやお鍋、その〆の雑炊などに一同舌鼓を打った.会は和気藹々とした雰囲気で進み、始めは緊張気味だった3年生らも先生や先輩方と卒研の話や1年次の思い出話などで盛り上がり、金川研の雰囲気に打ち解けることができたのではないかと思う.デザートのプリンを食べ終えると、4年生の発表会成功を祝うプレートが用意されるという粋なはからいがあり、全員で記念撮影を行ったのち、会はお開きとなった.(文責:(株)文責分析社)


卒業論文発表会の打ち上げ、兼、新4年生の歓迎会を行いました(2月16日@塚田農場@クレオスクエア)

金川研究室は、研究や勉学への曖昧な態度は許容しないかわりに、研究進捗や日常生活は学生の意思を尊重していますが、総勢5名となったことで、ある程度は賑やかになり、研究以外の面において盛り上がることに期待しています。初年度は、金川が飲み会の全てを企画しましたが、以後は金川からは何も提案しないつもりです(金川)

ゼミ日誌

 11月21日のゼミでは,まず,輪講を行った.衝撃波管を用いた実験的先行研究として,気泡流中の衝撃波が招く気泡の挙動や分裂への理解を深めた.研究進捗報告では,両学生が遠方場について行った計算の結果を検討・考察した.導かれた非同次波動方程式は,slow modeと概ね同じ形となっており,結果に大きな矛盾は見られなかった.ただし,計算量が近傍場と比べて増えた結果,第二次近似の計算において,ミスがいくつか散見されたため,注意深く確認・修正する必要がある.得られた非同次波動方程式の非同次項を整理し,さらなる考察を重ねることが課せられた.
 また,少々早いように思われるが,昨日,駅前の禁煙居酒屋で金川研究室の忘年会を行った.店のオススメである刺身の盛り合わせやレンコンの天ぷら,金川先生が好物とボソッと放った牡蠣フライなどを注文したが,いずれも大変美味しかった.(文責:ヨシタカ)

10/24ゼミ日誌

前回のゼミでは, 京都での発表を終えてから初めてのゼミということで, 改めて今現在のの研究の進捗を確認した. それを踏まえて, 先生から出された指示をもとに進めた研究を今回のゼミでは報告した. 今現在得られている結果が要求されているものと適合しているかは不透明な部分が多いことが挙げられたが, とりあえず今得られている結果から計算を進めていくこととした.
また, 今回からわれわれの研究に関係する, 実験的先行研究の論文を, 輪講の題材とすることにした. (文責:ノーラン)

日誌@京大出張編@1日目

出発時に〇〇というトラブルがあったものの,無事京都に到着.駅周辺で昼食を済ませたのちに,チェックイン予定のホテルで合流した.ホテルのロビーで小休憩を挟んだのちに,学会下見を兼ねて講演発表を見に行くこととした.会場には若い方の姿はあまり見られず,大御所と思われる先生方の姿が多く見られた.講演内容を理解することはできなかったが、学会のおおまかな雰囲気はつかむことができたように思えた.
講演終了後はホテルに戻り,各自夕飯をとったのち,発表の最終リハーサルを行うこととした.本番前夜にもかかわらず,改善点は少なくなかったが,どういった質問が来る可能性があるかに主眼を置き,対策を練ることとした.
解散後は部屋に戻り,スライドの修正・確認を行った.不安や緊張で寝つけないかもと思っていたが,朝早かったのもあってか,布団に入ってから考える間もなく寝てしまっていた.(文責:ノーラン)

日誌@京大出張編@2日目

京都出張の2日目は,発表1時間ほど前に会場入りし,他の講演者の発表を聴きながら自身の発表に備えた.
初めての学会発表であることに加え,人前で話すことが苦手でかなり緊張したが,講演自体は練習通りに話せたのではないかと思う.一方,質疑応答では,まともに答えられた質問は一つしかなく,知識不足で答えられなかったり,金川先生に助け舟を出していただいたりと,かなり恥をかいてしまった.自分の研究内容に対する基礎知識の無さ,理解不足を痛感した.しかし,それまであまり盛んではなかった質疑応答において,6人ほどの先生方を巻き込んで議論を活発にできた点は,発表内容に興味を引くような話し方ができたのではないかと,ポジティブにとらえている.
昼休みには筑波大の先生方も交えて食事を取り,午後の講演を聴き帰路についた.諸事情により京都駅で解散となったが,解散前に発表の成功祝い(?)として,金川先生に甘味をご馳走していただいた.(文責:ヨシタカ)

9/13ゼミ日誌

09:00-10:00ゼミ:
本日のゼミでは,学生が導くことに成功した波動方程式について注意深く考察し,下のモードとの違いを確認した.
大きな矛盾はないと思われるため,導かれた波動方程式に関する線形分散関係の導出,および,それに基づいて位相速度と群速度の考察を行うことが課された.
また,学生は無次元化の定義を少々変更すれば,より適切な物理パラメータを元に波動方程式が導けるのではという展望を得ており,その点に関しても,丁寧に確認することが課された.なお,一方の学生は私用のため欠席した.(文責:ヨシタカ)

9月8日ゼミ日誌

ゼミ:09:00-10:30頃
—–
本日のゼミでは新たな無次元化を用いた際に,結果に矛盾を生じさせないために,どのようなオーダであれば上手くいきそうであるか,両学生が計算して得られたものを基に議論を行った.しかし,得られた条件は簡単に受け入れられるものではなく,計算過程にミスがないか改めて確認することとなった.(文責:ノーラン)

8/31ゼミ日誌

本日のゼミでは,前回のゼミで仮定した無次元化を用いた際,計算過程で出てくる矛盾や障害について両学生が報告し,改善案を模索した.
両学生とも分散・散逸を正しいオーダで出現させること,そして,基礎方程式系を単一の線形方程式に帰着させることが難航しており,今までとは異なった無次元化を定義することにより,状況を打破できるのではないかという結論に行き着いた.
両学生とも新たな無次元化の仮定を元に,再度計算し直し,矛盾が生じないか,綿密に確認することが課せられた(文責:ヨシタカ).

8/25ゼミ日誌

本日のゼミでは、改めて先行研究の大まかな流れを振り返り、その後、各自の研究成果の進捗を報告した。
基礎方程式系を線形化し、単一方程式にまとめる過程で、ある致命的な結果に帰着した。したがって、いかにして、それを回避するかに方針を転換した。具体的には、摂動展開とくに圧力の無次元化の定義について綿密に議論を行い、改めて計算をし直した結果、一定の打開策には行き着いたが、予断を許さず、続きは、次回までの課題として課せられた(文責:ノーラン)。

8月9日ゼミ日誌

本日の食事会では、つくば駅最寄キュートのフードコートで各々好きなものを食べることになったが、結局全員が丸〇正麺となった。恥ずかしながら、初の丸〇正麺であったが、噂通りのコスパの良さだった。帰りにハーゲンダッツをごちそうになったが、これは、金川先生が駐車券の押印忘れに気づいたからかもしれない。
ゼミでは、各々研究の進捗を報告した。長波長帯・短波長帯のいずれにおいても、パラメータのオーダをどのように仮定するべきか、改めて議論した。短波長帯では具体的な大きさを仮決定することができたが、長波長帯では代表速度として、位相速度か群速度を選ぶかに応じて、その大きさが著しく変わるため、ひとまずは仮定を置くことなく一般化した表現を用いることにした。これに関連し、定式化の上での具体的表現と抽象的表現の使い分けの重要性にも議論が及んだ。
その議論をもとに、分散と散逸の両性質が、いつ、どこで、どのように現れるのかに主眼をおき、今後の研究の方針について話し合った。各自、仮設定したオーダーを基に、気泡力学の方程式の第一次近似の導出を行うことが課された(文責:ノーラン)。

8月4日ゼミ日誌

本日のゼミでは、前半に、第2次近似O(ε^2)の計算から導かれる R_2 に関する非同次方程式を確認し、その可解条件から永年項の抑制条件を得ること、そして、その可解条件からKdV方程式が導かれることを確認した。また、気泡流のKdV方程式の各項の係数の特徴を概観し、グラフと照らし合わせながら、各係数の符号について議論した。しかし、可解条件に対する理解は完全とはいえず、現時点では、天下りに受け入れることとした。
後半では、初期条件としての気相および液相の圧力のオーダを深く議論した。同時に、表面張力が効く気泡径を調べた。無次元化された初期液相圧力を、εのべきに一般性を持たせるべく定義し、Young-Laplaceの式の無次元化の過程を注意深く確認した。多数の疑問が生じたままではあるが、一通りの解決に至ったといえる。

この結果をもとに、長波と短波のそれぞれにおいて、どのようにパラメーターのオーダを設定すれば、上手く無次元化できるのかを考察し、両波長帯において適したオーダの一案を見出すに至った。

 長期にわたる下積みの勉強を一段落させ、実際に自らパラメーターを選び、試行錯誤を繰り返しながら、近似方程式の導出へと進み始めた。両学生はそれぞれの卒業研究の第一歩を踏み出したといえる(文責:ヨシタカ)。

8月5日大学説明会

高校生向けの筑波大学(工学システム学類)説明会におきまして、金川研究室を公開します。


公開テーマ:
実験装置PC要らない研究?ー工学部だからこそできる「流体力学」の神秘へと誘う物理数学ー

7月28日ゼミ日誌

 定例食事会として、指導教員が通い詰めている某ラーメン店に連れてゆかれた。まだ比較的新しい店のようで、店内もきれいで店員さん方も明るく朗らかで、雰囲気はとても良かった。ラーメンもさっぱりとおいしく、学生両名が追加で頼んだ替え玉にはたれもついており、また違った味を楽しむことができた。本日は自腹であった。
 ゼミでは、KdV方程式の導出のフォローの続きを行った。前回、線形波動方程式から右向き進行波のみを記述する1階方程式を導いたが、この変数変換の過程を注意深く確認した。また、従属変数群の1次変動の全てが φ_0 =x_0 – t_0 のみの1変数関数であることを示し、気相・液相の質量および運動量の保存式とKellerの式について、第二次近似O(ε^2)の結果の確認を行った。非同次項が正しく導かれているのかの検算に力を注いだ。あやふやに残した部分は、2階線形波動方程式から1階右向き進行波の線形波動方程式を抽出するための変数変換、また、位相速度と群速度の違いである。
 次週までの研究の指針として、パラメータスケーリングの大きさを仮定し、実際に試行計算をするよう指示ながされた(文責:ノーラン)。

7月20日ゼミ日誌

 4年生が履修中の「卒業研究A」研究計画書を、金川先生に添削していただいた。既知の事実を述べる際には必ず出典をつけるという文献引用の重要性や、数字と単位の間にはスペースを空けることなど、計画書の内容以外にも、科学技術系の文書作成上の細かな注意点やルールを学んだ。
 輪講においては、気相・液相の質量および運動量の保存式、Kellerの式の計5本の非線形偏微分方程式系に、従属変数の摂動展開群を代入して、最低次すなわちO(ε)の方程式系をそれぞれ導出する過程を確認した。とくに、波の分散や散逸といった重要な性質の起源となるKellerの式に関しては、各項の線形近似を数学的に厳密に実行すると同時に、各項の物理的意味の正確な把握に努めた。
 研究計画書の修正、および、O(ε)のKellerの式の導出過程の再確認が、課題として与えられた(文責:ヨシタカ)。

7月12日ゼミ日誌

ゼミ開始前に、2週に一度の定期食事会として、イタリアンの某店を訪問した。ランチセット(前菜付)で、ピザ2枚およびパスタ1皿が提供され、これらを3名で取り分けた。味には満足したが、少々量が多かった。
ゼミでは、気泡の球対称膨張・収縮運動を記述するRayleigh–Plesset式の導出の概要について説明がなされた。同時に、気泡周囲液体の圧縮性を取り込む操作、および、単一気泡力学の方程式を気泡流へと拡張するにあたり気泡半径を時間と空間座標の2変数関数とみなすという重要な仮定を学んだ。つづく輪講では、気泡流中の圧力波の弱非線形伝播を記述するKdV方程式を導くための多様な仮定やパラメータの設定の概要を学んだ。最後に、二流体モデルに基づく気相の質量保存則に、従属変数の摂動展開や微分展開法を代入し、実際に、第1次近似としての線形化を行った。同様の線形化を残る偏微分方程式系にも適用すること、および、卒業研究Aの計画書の完成が、次週までの課題として提示された(文責:ノーラン)。

7月7日ゼミ日誌

多重尺度法に基づいた微分演算子の表現方法(微分展開法)、および、従属変数の摂動展開を学んだ。とくに、液相の圧力変動を表現するにあたり、液相の密度の摂動展開に任意定数を含め、それを液相の状態方程式に代入することで、液相の圧力と密度の一意の表現を導いた。この過程で、流体力学と熱力学それぞれの大前提を思い返し、流体力学で熱力学を用いるとは何を意味するのか、気泡流における液相非圧縮性極限とは何か、音響放射とは何か、さらに、非圧縮性流れと圧縮性流れの解法に潜む決定的な差異を復習した(文責:ヨシタカ)。

飲み会

4年生の大学院入試の打ち上げを行いました(7月4日@あじ彩)。

研究室日誌6/30

本日のゼミでは、気泡流中のKdV方程式の導出の概要について金川先生からの説明がなされ、その中で、今後の卒業研究で問題点そして大きな壁になりうることを学んだ。研究室配属後3か月のまとめを兼ねた話がなされた。当研究室では基礎研究に主眼をおいているが、それだけを見据えるのではなく、実験的検証研究の重要性、基礎研究が工学の場でいかなる役割を担うべきか、具体的な応用先を見出す重要性などを学んだ(文責:ノーラン)。

6月14日

ゼミを行い、輪講として、気泡流の二流体モデル方程式系のうち、液相のTaitの状態方程式・気相のポリトロープ変化の状態方程式・気泡内気体の質量保存則・Young–Laplaceの式を概観しました。また、水面波の非線形波動方程式からKdV方程式が導出されること、さらに、正の分散・負の分散について学びました(文責:ヨシタカ)。

専攻公開

構造エネルギー工学専攻公開で、金川研のポスターを展示しました(4月22日)。

研究助成

公益財団法人日本科学協会笹川研究助成平成29年度研究奨励の会@東京に、金川が出席しました(4月21日)。

輪講2

輪講を行いました(担当:4年生A)。出た話題を、備忘録を兼ねて、項目だけ列挙します:

  1. 振動と波動の違い
  2. 波動方程式は、学類で学ぶ、2階線形波動方程式に限らない
  3. 微分方程式の一般解に含まれる任意性の個数
  4. 常微分方程式の一般解は任意定数を含み、偏微分方程式の一般解は任意変数を含む理由、および、n階線形定数係数偏微分方程式の一般解に含まれる任意変数は(n-1)変数関数であることの理由
  5. 偏微分演算子の変数変換、連鎖率、逆行列、極座標変換の例
  6. 線形波動方程式 <=> d’Alembertの一般解:必要十分であることの確認
  7. 無次元化と線形・非線形問題
  8. 特性曲線の入り口:dx/dt = c0 と定数係数である場合
  9. 多変数関数のTaylor展開
  10. 流束と密度
  11. (圧縮性の)流体力学(保存則)と、熱力学(構成式、状態方程式(EOS))の関係:式の本数と未知変数の過不足
  12. 初期値問題(IVP)、境界値問題(BVP)、初期値境界値問題

次回:特性曲線、変数係数の波動方程式、陰解、波形の突っ立ちと衝撃波

新年度

工学システム学類生向けに、金川研究室の様子を簡単に紹介します。


学会・出張関係

本年度は、国際学会への参加が多く、また、初年度のため、教員(金川)の発表ばかりです。しかしながら、次年度以降は、国内学会でも発表しますし、学生の発表を奨励します。参加に伴う旅費や参加費は全額支給します。

毎年、10月に例年開かれる「非線形波動に関する研究集会@京都大学数理解析研究所」における口頭発表は、研究室として、一つの教育目標です。また、海外における発表は、研究力のみならず、英語によるコミュニケーション能力など、さまざまな力の育成につながる考えから、積極的にサポートします。

ただし、研究では、いくら頑張っても、残念ながら、成果が得られるとは限りません。成果がなければ、もちろん、発表はできません。そもそも、研究テーマによって、相性や難易度などがありますので、勉強とは異なり、研究は平等ではありません。とはいえ、研究成果が上がらないからといって、能力がないとは限りません。

以上のような意味で、金川は、「研究室選び」や「指導教員との相性」が、極めて重要と考えています。これは、研究テーマの詳細以上に重要でしょう。

金川研は、数学を道具にして、紙とペンで研究を行います。逆に言えば、数式に嫌悪感を感じる人が、金川研で、研究を遂行することはできないでしょうし、できても楽しくはありえません(これは、決して駄目というわけではなく、もっと良い研究室がある、という意味であり、工学システム学類に相当数の先生がおられる理由も、そこにあると考えています)。

学会参加は、原則、強制はしませんが、極めて良い成果があがったときや、教育的観点から、半強制で参加を勧める場合がありえます。


* 参考例:本年度の学会参加予定(4月12日現在):

新4年生2名および金川が、福岡工業大学を訪問しました(2017年3月初旬)。

金川が、日米二相流専門家会議(Japan US Seminar on Two-Phase Flow Dynamics)@札幌に参加・発表を行います(2017年6月22日―24日)。

金川が、46TH INTERNATIONAL CONGRESS AND EXPOSITION ON NOISE CONTROL ENGINEERING TAMING NOISE AND MOVING QUIET@香港に参加・発表を行います(2017年8月)。

金川が、日韓熱流体合同会議(TFEC9)@沖縄に参加・発表を行います(2017年10月)。


* 講義関係:熱力学I、および、応用数学(前半:6月7日の中間試験まで)を担当します。

輪講

4月7日より輪講を開始しました(田中光宏、非線形波動の物理、森北、2017)。

学生居室が決定しました。

画像

熱力学を担当する時期になったという理由から、工学システム学類2年生向きに、ヘッダー画像を変更しました。同時に担当している応用数学は、残念ながら、嫌われる傾向にあるので、避けました。

保護中: 4/2

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