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学生視点の金川研紹介’20(5)

M2の学生に研究室紹介を書いてもらいました(金川)。


つい先日,査読付き雑誌論文を書きました.ここではその感想と金川研のアピールを雑多に書いていきます.

・teams主体で進める

最近はteamsで打ち合わせを進めていますが,メールよりも格段に便利です.殆どの研究室では,先生から連絡が来た場合は

「〇〇先生

~~です.

~~~について承知しました.

よろしくお願いたします.」

と丁寧に返す必要があると思いますが,金川研では先生のメッセージに「いいね」をつければOKです.出先でもスマホの通知画面から1秒で反応できるので,ストレスフリーで連絡のやり取りができています.ファイルを送付するときも,「送付します」の一言で済みます.論文執筆中の情報のやり取りが多くなる時期ではとてもありがたかったです.

もちろん,すぐ返信しなくても怒られることはありません.

・理論解析の性質上,修士課程で完結させやすい

金川研の研究は,基本的に従来のモデルのスタートとなる基礎式を改善して再計算し,より精度の高いモデルを提案する流れがほとんどです.そのため,結果の大小はさておき,B4~M1終わりまでにある程度完結し,論文に出せる結果は得られるはずです.

実験や大規模数値解析だと,数年かけて同じテーマを引き継ぎつつ研究し,著者6人ぐらいで1本を書き上げる場合も多々ありますが,それに比べれば早いスパンで結果は出やすい(=修士卒でも結果を出しやすい)かなと思います.

・英文校正にお金を出してくれる

ある程度骨組みを作ったら,すぐ英文校正業者に校正してもらいます.そのような必要経費は一切節約しないところは金川研の良いところだと思います.

・奨学金全額免除に手が届く

実は,査読付き雑誌論文は大学院生でもほとんど書く人がいないので(博士後期は別),和文・英文に関わらず論文を書けば半額免除はほぼ確定で,全額免除も目指せます

・忙しい,辛い

(機械系の)ほとんどの学会では事前に数ページの予稿を提出しますが,これは学会参加者が共有するレベルのものなので,受理されないことはまずないと思います.

その一方で,査読付き雑誌論文は,全世界の研究者が見ることができるものなので,体裁や論理展開,結果そのものに至るまで厳しい指摘をされます.査読の過程では,その分野のトップ研究者複数名から,「式(7)がおかしくないか?詳しく説明した上で本文も追記してください」「~~を無視しているが問題ないのか?正当な理由を説明してください」など,物理の根本から文章の隅まで質問が飛んで来ます.ごまかしは効かないのでここが一番辛いです.査読対応は事実上戦争であると先生は言っていましたが,まさにその通りと思いました.

・ものすごく修論が楽になる

修論本文は今まで書いた原著論文をコピペして体裁を整えて完成です(修論は自分の研究成果をまとめ,修士号に値する研究活動をしたかの審査に使うものなので,もちろん手抜きはできませんが,原著論文が通っている場合には,これで問題ありません).時間があれば,引き継ぎを兼ねて付録などに細かい計算過程を足すぐらいかなと思います.12月になると追い込みで徹夜続きのようなことには絶対になりません(M2の終わりでも結果が何も出ていない場合は例外でしょうが).

先生も「修論は原著論文をたたき台にして,完成したら見せてくれ,学内にしか残らない修論よりも歴史に永久に残る原著論文が最重要」といったスタンスです.

論文を書いているときはかなり忙しく,頭もフル回転していましたが,十分にお釣りが来るぐらい修論時期は楽になったと思います.

・文章作成がうまくなる

これは金川研のアピールポイントとしてよく挙げられますが,どんな仕事でも絶対に役に立つスキルが身につけられたと思います.(M2)

学生視点の金川研紹介’20(4)

B4に研究室紹介を書いてもらいました(金川)。


【研究テーマと進め方について】

 現在、ほとんどの学生は「気泡流」に対する「理論解析」をやっています。
 いわゆる通常の「流体力学」は、「水のみ」または「空気のみ」の場合を対象としたもので、これは工学部の学生の多くが学ぶ基礎的な学問であり、理論面は確立されたものがあると思います。それに対し「気泡流」は、「水+空気」からなる媒質を対象とするわけですが、この場合、理論の根本的なところから未確立な部分が多く (基礎方程式の表式も多岐にわたる)、それゆえ研究対象になりうる、というようなイメージです。
 金川研の研究成果として得られる数式は、もし「気泡流の力学」という教科書を作るとしたら、おそらく序盤のほうに記載されるであろう内容だと思います。このように、基礎的な数式の段階から物理 (力学) を研究することが出来る研究室は、恐らくレアだと思います。

 なお、気泡流以外のテーマ (固体力学や爆轟など) もあるようなので、特定のテーマにこだわりがある方は、配属前に相談したほうが良さそうです。ただし、金川研の理論解析の適用範囲内かどうか確認の必要があると思います。また、あくまで手法は理論解析なので、研究の進め方自体が大きく変わることは無いはずです。

 個人的に、研究室選びにおいては「テーマ」だけでなく「研究の進め方」も非常に重要だと思います。私の場合、テーマ以上に、理論解析の進め方そのものにより魅力を感じました。配属前、先生から「紙とペンさえあれば研究できる」と聞いていましたが、実際やってみて、その通りだと思います。今年の場合は特に、学会もオンライン開催なので、自宅から参加可能です (情勢次第ですが、しばらくこの傾向は続くと予想しています)。その気になれば自宅だけで研究の全行程が完結します。
 実験装置等も使わないので、装置によって進捗を左右されることもありません。また、学生間で共同で研究をすることは (基本) 無く、研究は個人プレーで行います。実際、研究室の方々とお会いする機会がほとんどなく、その点寂しさもありますが、自分のペースで進められるのは良い点だと思います。

 配属先として考える上での注意点(?)を挙げるとするならば、理論解析の作業そのものは、非常に地道です。実際、「紙とペンさえあれば研究できる」という点は、魅力的に感じる人もいれば、退屈そうに感じる人も多いと思います。また、最終的に得られる式は比較的キレイにまとまっており、物理的解釈の付与も可能ですが、そこに至るまでの計算過程はかなり膨大です。計算途中の段階では、物理的解釈を結びつけることが困難な大量の項たちと対峙することになります。この意味で、(金川先生からも再三警告されていると思いますが) 数学があまりにも嫌いな方には、苦痛だと思います。ただし、「嫌い」ではなく「苦手」程度であれば、時間さえかければ最後までたどり着けるとは思います。


【普段何をしているか】

 理論解析の実際の流れについてですが、配属直後は、気泡流に関する先行研究の式変形を再現することから始めます。ある程度分かってきた段階で、テーマに沿った新たな要素を組み込み、計算していきます (勉強だけ長期間続けるのではなく、研究しながら勉強するというイメージです)。これがいわゆる「紙とペン」で行う部分であり、ひたすら式変形することになります。当然、研究なので、良い結果が得られる保証はなく、場合によっては何通りもの計算を行うこともあるので、ある意味実験的です。

 少々意外かもしれませんが、研究として新規性がある部分は基本的にここまでです。時間としては、研究全体の30%くらいではないかと思います (テーマや個人の進捗にもよります)。以降は、計算の見直しやモデルの一部を変更することなどはありますが、がっつり理論解析をすることはほぼ無くなります。

 理論解析が終了した後は、具体的に以下のようなことをします。

・学会原稿を書く
・学会スライド・発表練習
・学会本番に参加
(・数値計算)
(・論文投稿)

 このように、学会参加を中心とした日々になります。そして、毎回の学会前には、作文・プレゼンに対し細かい指導が入ります。
 学会の参加申込時には、A4数ページ分の学会原稿や、数100字程度のアブストラクトを書く必要があり、ここで作文指導がなされます。内容の本質に関わる部分から、軽微なところまで、かなり細かく添削して頂きます。
 スライド作り・発表練習は、本番の1か月前くらいから始まります。先輩方の例も提供して頂けるので、それらも参考にしつつ作っていきます。作成途中の段階から、練習として複数回先生に発表を見て頂き、分かり易い発表になるよう、発表の中身・スライド・話し方などを繰り返し添削して頂きます。また、発表練習のあとは、質疑応答の練習として、金川先生から質問をぶつけられます。

 金川研の特徴として、(希望次第ではありますが、) 学会参加の回数が多いです。希望すれば、かなりの回数出して貰えます。その上、毎回細かく指導して頂けるので、プレゼンに関してはかなりスキルアップできると思います。もちろん、「学会=プレゼン練習の場」というわけでは無いですし、たくさん出れば良いというものでもありませんが、全国の先生方から意見を頂ける貴重な機会であり、他の研究室の方々の発表も聞けるので、得られるものは大きいと思います。学会参加自体が研究業績としてカウントされる、というメリットもあります。また、質疑応答やプレゼンのスキルに関しては、場数を踏むことが一番重要ではないかと思います。
 なので、「学会に出てみたい」「学会参加を通じて作文・プレゼンの能力を磨きたい」という方には、金川研はかなりお勧めです。ただし、金川研以外にもB4で学会に出る研究室はそこそこあるようですし、学内でのゼミをプレゼン指導のメインとしている研究室もあると思います。このようにプレゼン指導の方針は各研究室によって様々なので、気になる方は配属前に確認すると良いと思います。

 理論解析は全体の30%、と聞くと残念に思う方もいるかもしれませんが、個人的には、理論解析以降の作文・プレゼン指導に関する部分の方が重要なのではと思います。卒業後にどの分野・業界に進もうと、普遍的に役立つ能力だからです。もちろん、理論解析の手法等々や、気泡流の物理も重要ですが、例えば企業に入社した場合、就職後も同じことをする確率はまずゼロです (博士進学して研究職を目指すなら別かもしれませんが、その場合も作文・プレゼン等の能力は必須です)。これは金川研に限った話ではなく、どこの研究室でも同じだと思います。
 各研究室の配属説明会では、研究テーマに関する説明はされますが、それ以外の指導に関するところはあまり語られないと思います。理論解析は全体の30%、というのもあくまで金川研の場合の一例であり、研究室によっては、実験や解析により多くの時間を割く研究室もあると思います。研究室選びにおいては、テーマだけでなく、具体的に普段は何をしているのか・それによりどのような能力が得られるか、といった部分も重要だと思うので、気になる方は配属前に確認したほうが良いと思います。

 その他、数値計算に関しては、必須ではなく希望次第で行います (私はやっています)。テーマによりけりですが、先行研究の文献を参考にコードを書くこともありますし、金川研の先輩方からコードを提供して頂くこともあります。金川研はあくまで理論解析が軸なので、数値計算を利用する立場であり、「数値計算手法そのもの」を研究することは基本無いと思います。
 話が飛びますが、最近、金川研の研究資金で新品のデスクトップPCを買って頂きました。私が「コードを書いたが、自分のノートPCだと計算にかなり時間が掛かる」と報告したところ、その日のうちに即注文して頂き、数日後には研究室に届けて頂きました。その他の周辺機器も、先生にお願いしたところ、すぐに買って頂けました。このように、研究に必要なものは、お願いすれば高確率で買って頂けるのではと思います。
 また、論文投稿に関しては、金川研では基本的に修士卒業までに1編は書くことになっているようです。希望があれば、複数編トライすることも十分あると思います。前述の学会原稿執筆時と同等かそれ以上の細かい作文指導を受けることになり、それに加えて査読対応の場面も出てくるので、より深い経験を積めると思います。


【金川研との相性について】

 研究室配属の際、金川研との相性は、「講義の印象」から判断すれば基本的に問題無いと思います。

 研究室選びの定説として、「講義の印象で決めるのは危険」と聞くことがあります。多くの場合それで間違いないと推測しますが、金川研の場合は、講義の印象で決めて良いと思います。
 約10か月間、研究室に在籍した感想として、金川先生の研究指導のスタイルや先生の人間性も含め、講義での先生の印象と近いです。私自身も、2年生の時に先生の授業を受講し、講義や資料の分かり易さ、質問対応の丁寧さ、manaba等での連絡の迅速さが素晴らしいと感じましたが、研究指導においても同様な指導を受けることが出来ます。また、各科目の期末テストの答案に求める厳密性などから、金川研の研究スタイルがおおよそ把握できると思います。
 よって、講義を受けてプラスの印象を持った方は、相性については問題ないと思います。その逆も然りです。


【最後に】

 色々書きましたが、まとめると、

 ・自分のペースで研究を進めたい
 ・理論研究に興味がある
 ・学会に (多めに) 出たい
 ・論文を書きたい

上記のいずれかに当てはまる方には、金川研はかなりいい環境だと思います。

学生視点の金川研紹介’20(3)

B4に研究室紹介文を書いてもらいました。(金川)


4月から金川研に配属されて経験した色々を踏まえて,紹介文的なものを書こうと思います。あくまで主観なので参考までに。

・金川研を選んだ理由

 色々ありますが,一番は「最も興味のあることができそうだったから」です。私にはもともとやりたいことが多くありましたが,一番やりたいことができる研究室が工シスにはありませんでした。その話をぽろっと金川先生にしたところ,先生の専門と近いのでできるのでは?という話になり,それが決め手になったという感じです。ただ,流体や基礎研究に興味がないかというとそういうわけでもなく,流体は元々好きでしたし,いろいろな分野につながりそうな基礎研究は面白そうだなと思っていました。また,もともとゴリゴリ計算は嫌いでなかったので,理論研究にも興味がありました。

 あとは,「文章の書き方や発表の仕方」についての指導をしてくれるということで,どんな分野に行っても役立つ力を身に着けたいな,と思ったのも金川研を選んだ理由の1つです。

 私は金川研ともう1つとある研究室で悩んでいました。いろいろと考えて最終的に研究室を決めたのは,配属第1期初日の1週間くらい前だったと思うので,皆さんも焦らずにやりたいことや,身に着けたいことが満たされる研究室を選べばよいと思います。

・研究と研究室の特徴

 金川研は基礎研究を理論的手法で行っています。この時にキーワードとなるのが,「弱非線形」らしく,弱非線形の理論であれば,基本的に研究対象は問わないそうです。そういう意味では,やりたいことができる可能性は低くないのかなと思います(面談で先生と話してみてください)。基礎研究というと,「特定の応用先が決まっていないので,よくわからん」という印象があるかもしれませんが,(まだ1年もやっていませんが)私的には逆にいろいろな可能性があって面白いと思います。発表の際には医療を応用先として挙げることが多いですが,自分で考え付けば,無限の応用先があります。対象はものではなく物理現象なので,物理が好きな方は特に良いと思います。

 理論研究についてですが,具体的にやることは連立方程式の代入計算がほとんどです。なので,「微分方程式を特殊な解法で解く」などを想像している方は少し違うかもしれません。また,ゴリゴリとした式変形が嫌だという方には向いていないと思います。理論研究の良い点としては,実験装置やパソコンを使わないため,自分のペースやタイミングで勉強を進められるところです。ちなみに理論だけでなく,希望すれば数値計算もできます。しかし,あくまで理論的に導いたものを数値計算で値を求めたり描画したりという感じで,メインは理論です。

 ここからは研究室の特徴を書いていきます。

 研究室で課せられていることと言えば1週間に1度の進捗報告などを含む打ち合わせくらいです(打ち合わせの中身は後述)。といっても事情がある週は打ち合わせがないこともあります。研究自体は前述したように自分のペースでやることができます。研究をしなさすぎると先生から何か言われるらしいですが,私は特に言われたことがないので恐らくそんなに厳しいことはありません。なので,バイト遊びなど自分の予定は好きなように入れることができます。また,最近は打ち合わせがオンラインなので,大学に行く必要はありません。実際私は4月以降,研究関係で大学に行っていません。といっても研究室は存在するので,家で集中できない場合は研究室でやることもできます(最近引っ越して広くなりました)。ちなみに私はとある事情で1ヶ月間研究ができなかったのですが,先生に前もって話したところ,全く問題ないという話でした。という感じで自分の予定は入れやすいと思います。

 次に研究室の人について書きます。といっても今年はすべてがオンラインで済んでしまうので,研究室の人と全く会いません。また,研究に関しても基本的には先生との一対一が多いため,もともと他の人との関わりはそんなにありません。実際,一回も会っていない先輩もいるのですが,わからない部分について質問をすると丁寧に教えてくれます。先輩はいい人ばかり(私の同期もいい人)なので,そこの関係で困ることはないと思います。ただ,「研究室一丸となって乗り越えよう!」的な意識を共有したい人には多分向かないと思います。こんな感じで,人との関わりがあまりない的なことを書きましたが,私は研究室で旅行に行きたいとひそかに思っています。コロナ禍が収まったら誰か行きましょう。

・研究指導

 具体的な研究指導について書きます。普段の打ち合わせは進捗報告をした上で先生の意見などを聞くという感じです。金川先生の授業で質問をしたことがある人はわかると思いますが,研究に関する質問をすると授業の時と同じようにかなり丁寧に返ってきますので,消化不良になることは基本的にないです。学会などが近くなると,書いた原稿を見せたり,プレゼンの発表練習をしたりして,添削をしていただきます。この添削ですが,かなりメタメタに言われますが,別に暴言が飛んでくるわけではありませんし,すべて理由付きなので,理不尽な内容は全くないです。言われると確かにそうだなぁとなりますし,こういう意図があったんです,と話すとそれを認めてくれることもあります。この指導もあり,論文を出したり,学会で講演に関する賞をとったりする人が多いです。といっても,講演賞については,運がかなり絡むと個人的には思うので,絶対取れるとは思わない方がいいです。しかし,この指導をじっくり受ければ,文章力や発表の力は確実に付くと指導を受けて思いました。

・最後に

 見返すと結構な量になりましたが,書いていたらこれくらいになってしまっただけで,これだけ書けと言われたわけではありません。研究室に関する質問は先生にすれば,(多分)何でも答えてくれると思うので,少しでも気になったらしてみるとよいと思います。また,先生に聞きにくいことは,学生に聞いてみましょう。悪い人はいないのできっと教えてくれます。(B4)

金川研紹介20(2)

M2学生に、学生視点での金川研紹介を書いてもらいました。極めて謙虚で主張が皆無な学生のため、指導教員側から補足しますと、国際誌論文1編(筆頭)と和文誌論文1編(筆頭)で、実質的に博士号が取得可能なレベルに到達しています。学生からの申告がない限り、博士後期課程への勧誘は行いませんが、残念ながら関心はないようでした。国際会議などでの発表実績多数、学会表彰受賞実績もあります。

理論解析が一段落したところで、数値解析を行うか尋ねましたが、やりたくないとの回答で、金川としてもその路線が当該学生に合致する(理論解析能力抜群の反面、数値解析には大きな関心はない模様)と感じたため、理論解析のみで3年間押し通しました。恐らく、過去の全学生の中でも、最も大量の手計算をやり遂げましたが、当該学生がこれを可能にした理由に、抜群に要領がよい点も挙げられると認識します。要領が極めて悪い金川としても羨ましく感じており、そもそも配属学生に要領の良さは求めていませんが、効率重視の研究室運営・研究指導スタイルとの親和性は高かったと考えます。アルバイトや私生活全てと両立の上で要領よくこなしていると把握しており、研究漬けでもなく(学類3年次以前の生活は知りませんが、6年間、スタイルを変えず、高成績と高研究業績を挙げたと思われます)、締切1か月前に修論も書き終えてしまったため、この記事を書いてもらいました。(金川)


研究室生活とコロナ禍というテーマで、金川研究室のことを紹介したいと思います。
私は、学部入学以来6年間自宅通学を続けている博士前期課程2年の学生です。
金川研究室はそもそもが理論研究であることから、実験は一切行わないため、コロナ禍以前から在宅で研究を行っていました。
そのため、現在もコロナ禍以前と研究のスタイルは何も変わっていません。
他の学生も学生居室で研究をしていることは稀のため、同様ではないかと思います。
以前は、金川先生との打ち合わせは1対1の対面で行っていましたが、現在は完全にオンラインでの打ち合わせです。
そのため、今年度つくば市に行ったのは2回しかありません。
しかし、本年は国際ジャーナルへの論文投稿をすることもでき、十分すぎるほどの成果・実績を得ることができるため、リモート化が進むコロナ禍に適応している研究室だと思います。
 
コロナ禍になっての弊害としては、他の学生とのコミュニケーションを取る機会がめっきり減ったことだと思います。
授業もオンライン化、研究も完全リモート化になって、大学に立ち入ることがほぼなくなったため、同期4人のうち3人は2020年になってから一度も対面では会えていません。
以前は金川先生主催の飲み会が年に数回ありましたが、それすらも完全に消えてしまいました。
また、学会発表に伴う出張が無くなってしまったことも、コロナ禍の大きな弊害だと思います。
昨年までは、国内外の様々な都市に出張に行っていたため、現地での食事や観光などの学会発表に伴う楽しみがいくつかありました。
しかし、本年は学会発表も完全リモート化したため、自宅から参加できるようになり、楽になった反面、副次的な楽しみが消えてしまったことは、残念でなりません。
 
以上、コロナ禍での弊害はもちろんありますが、研究をなるべく早く進め、成果・実績を多く求める学生には、完全リモート化が進んでいる金川研究室は、コロナ禍において最適な研究室なのではないかと思います。(M2)