3年間在籍したM2学生に研究室紹介を書いてもらいました(金川)。


金川研究室での活動や生活の様子について書きました。研究室選びの参考にしていただければ幸いです。

・学会発表

私個人としては、国内の学会に4回参加しました。金川研は紙とペンによる手計算がメインの研究室です。努力量によってはかなり早く成果を得られることもあり、学類生のうちから学会参加の機会が得られることも割とあります。そのため、発表スライドのデザインやプレゼン、質疑に対する答え方など、研究者として必須になるこれらのスキルを磨く場としては金川研は非常に良いと思います。はじめのうちは発表の声量が小さい、スライドが聴講者にとって伝わりにくい、質疑の意図がくみ取れない、など苦戦をしました(金川先生からも割と辛口のコメントをもらっていました)が、上手な先生の発表を聴講したり、場数を踏んでいったことによって、4回目の発表では優秀講演表彰をいただくこともできました。このように学会発表を通して、研究者としてだけでなく、企業に就職する人にとっても有益な経験がたくさん詰むことができました。また、対面の発表であれば、学会ついでに観光を楽しむこともできます。交通費と宿泊費は研究費で出してもらえますし、先生が現地のおいしい食事に連れて行ってくれることもあります(ほぼ先生が出してくれます)。私も修士1年の5月に福岡に、2年の9月に仙台に行くことにできました。おいしい食べ物を食べたり、研究室のメンバーと街を散策したりとても良い思い出です!

・査読付き論文の執筆

金川研で研究を進めていくうえでの一つの目標として、査読付き論文を国際誌に載せることがあります。この目標を達成すれば、研究者として科学の世界に一生名前を残すことができますし、奨学金の返済(全額or半額)免除になる可能性も高くなります(私は主に後者がモチベーションです)。私が論文の執筆を開始したのは修士2年の6月頃からです。金川研には査読付き論文を出している先輩方がたくさんいるのでその論文を参考にしながら書いていき、英文は校正業者に出して添削してもらい、ジャーナルを選んで投稿するという流れでした。論文は書き方の決まりも多いし、世界中に発信されるため誤植などは基本的にあってはならないので、非常に神経を使いましたが、無事12月に採択が決定しました(私の場合査読でかなり厳しいことを問われたり、査読期間が長かったりして採択までに時間がかかりましたが、早い人は2・3か月で採択されています)。普段から先行研究を入念に調査したり、きっちりと研究のメモを取っておいたり、仲間と議論して疑問を解消したりしておくと、論文投稿などの成果を世間に公表するときにスムーズになるので、これを読んでいる皆さんは金川研に限らず意識するとよいと思います。

・就職活動

金川研にはコアタイムなどがないため、就活をしたいのに研究室の用事のせいで進められないということはほとんどありませんでした。なので私も修士1年の秋ごろから1年の終わりまではほとんど研究は止め、就活に集中していました。このように就活と研究のメリハリがしっかり付けられるのも金川研の良いところだと感じました。また、前述しましたが、金川研は(楽ではないが)皆さんが成果を出している研究室なので、エントリーシートや面接などでも諸々アピールすることができます。私も就活の時点で表彰と学会発表の経験があったので、企業の人たちも好印象を持ってくれたのではないかと思っています。加えて学会発表の経験で、相手の意図を汲み取って論理的にそれに答えるという力がついていたおかげで、面接にも自信をもって答えることができました。一方、私がやっていたのは基礎研究でしたので、企業の方々に研究の内容を説明するのは大変でした。企業の人事担当者には文系の方も多いので、できるだけ専門用語を使わない説明の仕方を考える必要があります。ただ逆に応用先が限られていない分、志望動機や志望業界は広いと思います。

・学部3年での早期卒業

私は学部3年で早期卒業をしたので、研究室に入ったのも学部3年です。早期卒業を決めた理由は単純で、1年早く卒業すればその分の学費が浮くし、働き始めるのが早くなる分長く稼げると思ったからです。もちろん研究と授業の両立は大変ではあったのですが、金川研は比較的両立しやすい環境だったのかなと思います。前述のとおり、金川研はコアタイムなどがないため研究と授業のメリハリがつけやすかったですし、金川先生からもテスト期間などはそちらの勉強に集中していいという風にも言ってもらえたので、研究と授業の両者が互いの枷になり過ぎなかったと思います。それに加えて、研究室の先輩方に授業内容について聞くこともできたので、自分が学びたいことを効率的に学ぶことができました(先輩からテストの過去問もいただけました)。また私の場合、金川研に同じ早期卒業の同級生がいたことも非常に心強かったです。研究も授業も助け合いながら進めることができたので、その同級生の存在は非常に大きかったです。

・普段の生活

金川研の特徴として、紙とペンとパソコンがあればどこでも研究ができるということは皆さんもご存じかもしれません。なので、自宅で黙々と研究を進めることもできますし、研究室にきて研究を進めることもできます。前者のメリットは何より、移動の手間がないことだと思います。先生とのやり取りや面談はオンラインで完結することが多いですし、アルバイトも割と自由に入れることができますし、授業がなければ帰省も好き勝手にできるのでその点は助かっていました。後者のメリットとしては先輩にわからないことを聞けたり、議論しあったりできる点があげられます。解析をしていく中で誰でも疑問点や不明点は出てくるものですが、研究室で解析をしていれば誰かに相談することができます。金川研の学生は優秀な人が多いので、何か聞けば的確な答えを返してくれることが多いですし、難しいことでも一緒になって考えてくれる優しい人ばかりです。

研究面以外で金川研は縦の繋がり、横の繋がりが非常に薄いことで知られていましたが、ここ1年ほどで劇的に変わりました。もともとは自宅で独力で進めていく人が多かったため、先輩方とも研究室で会う機会は多くありませんでした(学会でしか会ったことがないという人もいたくらいです)が、今(2025年1月)のM1が入ってきたくらいから研究室に人が多くなり、雑談したり、ご飯に行ったり、一緒にゲームをしたりする機会が非常に増えました。研究も大事ですが、それと同じくらい息抜きは大事なのでかなり環境が良くなっていると思います。なので現在の金川研は研究を一人でコツコツ進めたい人にも、ほかの人とワイワイ進めたい人にも向いている研究室といえると思います。先生とご飯に行く機会もここ最近増えてきており、飲み会をはじめ、先日は学生から先生を誘ってパフェを食べに(奢ってもらいに)行くこともありました。もちろん全く飲めなくてOKですし、完全自由参加です(参加人数が半分未満の時もあります)。

・最後に

ここまでいろいろ書いてきましたが、研究室選びで一番大切にすべきことは「価値観」だと思っています。指導教員との価値観が違っていると研究をしていくのが苦しくなります。金川研で言うと、様々な先行研究を調査の上で、考える条件や仮定を考えて解析をしていく形になるので、自分のひらめき力で研究をしたいというような人にはあまり向かないですし、研究の進め方が自由な分、自分をある程度律することができない人にも向きません。また、金川先生の授業を受けた人はわかるかもしれませんが、かなり厳密性を重視される方なので、スライドの作成や論文の書き方には非常に厳しいと思います。なので楽に卒業・修了したい人にももちろん向いていません。ただ先程から述べている通り、時間的な融通が利きやすいですし、研究室メンバーも全員優秀で優しいので、一生懸命研究をしていきたい人には良い環境だと思います。いろいろな研究室を見てみて、自分に合った研究室を見つけてください!

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