ホーム » 2017
年別アーカイブ: 2017
大学分野別模擬講義
東京都立青山高等学校で、模擬講義「工学系進学への誘い~機械工学から生体医療工学まで~」を行いました(2017年12月21日、金川)。
学生からの金川研紹介
金川研所属の4年生2名の「学生の視点」から、金川研の紹介を書いてもらいました。工シス3年で金川研に興味がある人は、卒研配属の参考にしてください(赤字:金川による横槍・補足)
金川研を選んだ経緯
僕は大学で特に「この研究をやりたい」などがなく、研究室によって就職先の選択肢が変ることはないということを聞いたため、先生との相性重視で選びました。金川先生の授業は何度か受け好印象を持っておりましたが、配属前の面談でも学生指導に対する強い熱意が感じられたためこの研究室を選ぶことにしました。
研究室生活と雰囲気
まず、本研究室は新設ということもあり、かなり自由な雰囲気です。縛りと言えば週一でゼミがある程度で、あとはどこで何をしようが、研究の進捗を生んでいる限り文句を言われることはありません。実際、僕自身研究室にいる時間は週で数時間程度です。
また、先生は大御所の先生方と比べると時間があるようで、少人数な研究室であることもあり、かなり綿密な指導を受けることができます。年齢も比較的近いこともあってか、研究やそれ以外の質問でも気軽にすることができます。
ただ、新設であることの問題点として先輩がいないことが挙げられます。大学院の授業で出るレポートや試験勉強などで過去問などが全くない状態だったのでその点では多少の苦労はありました。
[補足] 次年度は、博士前期(修士)1年に2名が進学予定ですので、先輩がいます(文責:金川)。
ゼミ
ゼミは基本週一で行われ、所要時間はだいたい2~3時間程度です。日にちなどはメンバーの予定を鑑みて決められ、昼過ぎ開始となることが多いです。内容としては各自の進捗報告、今後どういう方針で研究を進めるかについての簡単な議論、輪講です。
他の研究室がどのような雰囲気かはわかりませんが、本研究室は少人数なこともあり、思ったことなどの意見はかなり発言しやすいと思います。輪講では、研究に関連した論文を先生に選んでいただき、それを週ごとに分担し発表していきます。発表と言っても特に資料は作ったりせず、大きく時間を割くことはありません。
[補足] 「特に資料は作ったりせず」とありますが、A4用紙1枚のウィークリーレポート(今週何をやったか、どこで詰まっているか、今後何をするか、などを日本語と数式で書く。LaTeXを使用)の提出を課しています。パワーポイントは、聴衆を何となくわかった気にさせたり、誤解につながる危険性を秘めるので、金川研では、学会発表を除いて使用しません。見掛け倒しで中身の伴わない綺麗なスライド作成に酔いしれ、聴衆者の方々を騙しては、苦労して創り上げた研究成果が水の泡です。重要なのは、綺麗な「スライド」ではなく、中身が伴い、かつ、綺麗な「文書(とくに日本語)」を書くことであって、これこそが、社会でも通用する「文書執筆能力」に繋がります。事実、第1期生の4年生2名は、4月から9月まで執筆能力の修得「だけ」に力を注ぎましたが、下記学会発表前の数週間程度で、最低限のスライド作成能力・プレゼンテーション能力は修得できました。つまり、文書作成能力こそが基礎で、スライド・プレゼン能力とは応用なのです。基礎から取り組むことが自然です。強靭な土台さえあれば、特別な対策などしなくとも、発表力は自ずと身につきます(文責:金川)。
行事
行事は今のところ飲み会しか行われておりません。飲み会と言ってもかなり静かでおとなしいです。僕も同期も金川先生も自分から場を盛り上げるタイプではないのでそういう雰囲気ですが、新4年が盛り上げようとすれば乗ってくれると思います。他にも研究室として何か行事を作りたいなどがあれば歓迎です。
今年度は国内の研究集会で発表の機会を設けてもらったりしました。僕と同期もかなり苦い思いをしましたが良い経験になったと思っています。修士では海外の学会での発表も計画しているそうです。もちろん、国内でも海外でも出張の交通費、宿代は研究費から出してもらえます(ノーラン、2017年12月3日掲載)。
[補足] 研究室行事は、好き勝手で無謀な提案を歓迎しています。本年度は金川が飲み会を企画しましたが、そのような役回りは慣れず、すでにアイデアも尽きました。上記のように、先輩2名もどちらかと言えば保守的な性格と理解していますので(ただし寡黙で静かな人物でもない)、新入生がテンションを上げてくれることに期待しています。行事といっても、研究室メンバー全員が揃う必要はなく、金川抜きでの飲み会や同期だけの旅行なども歓迎です(文責:金川)。
教員
金川先生は研究室の学生と話すときも,授業と同じような落ち着いた口調で,声を荒げることは一切なく,安心して研究の進捗報告や相談,雑談ができます.研究に関しては,授業資料から分かるように,かなりの緻密さを求めますが,指導も非常に詳しく丁寧です.
反面,普段の私生活は少々乱れがみられ,ゼミに少し遅刻するなどということもありますが,いい意味で威厳がなく(笑),先生とのマンツーマン指導も全くストレスになりません.必要以上に話すこともなく,週1のゼミや隔週開催の食事会,出張や飲み会時にいろいろな雑談をしてくれます.
研究テーマ
現在の研究テーマは「気泡を含んだ液体中を伝播する進行波の波動方程式の導出」であり,4年生二人はそれぞれ違う領域における波動方程式の導出を行っています.ざっくり言うと,質量保存式や運動量保存式などを組み合わせて,一つの方程式に帰着させるということをやっています.
研究内容の決定は5月中旬~下旬でした.大学院の推薦入試の出願が6月上旬のため,その直前に決定しました.それまでは,週1のゼミを中心に、研究に必要な様々な知識をつけていきます.
[補足] 2018年度は、研究テーマをもう少し早めに決めようと思っていますが、基礎学習に一定の期間を割くことは重要な情報です。金川研のテーマは「ある程度の予備知識のもとで、実際に手を動かしてみないと、面白さに気付けない」基礎研究ですので、テーマを眺めただけではピンとこないと思います。「背景が壮大でも、いざやってみるとつまらないテーマだった」とは真逆です。例えるなら、金川の講義資料を読む前は熱力学は意味不明だったが、精読後には熱力学を面白いと思えた人であれば、99%間違いなく楽しめるテーマです。金川の講義資料との相性は、重要な判断基準といえますので、厳密性や論理性を放棄したい人はご遠慮ください(文責:金川)。
研究の進め方
全て手計算で,地道に紙とボールペンで計算を行っています.しかし,特別数学が得意である必要はなく,すごい閃きや発想が必要ということもありません.僕自身は,地道な作業は苦手ではない,数学は得意ではないが,数式を書くことが好き、という人間なので,研究内容が嫌になったことはありません.
金川研には,○時~△時は研究室にいなくてはいけない,といったコアタイムはありません.週1のゼミでの進捗報告のみ必須です.よって,研究はどこでやっても構いません.僕は平日は毎日研究室で研究していますが,同期は授業・ゼミがない日は研究室でほとんど見かけません(笑)。また,僕も一日中研究室にいるわけではなく,「1・2限授業 + 16:00まで研究」「9:00~15:00研究 + 17:30からサークル」「9:00~13:00バイト + 15:00~から研究」など,バイトやサークルとも両立・研究も毎日コツコツといった感じで研究しています.
[補足] 「全て手計算」とありますが、大学院進学も考える場合、「数値計算(コンピュータシミュレーション、プログラミング)」の要素が、何らかの形で入る可能性が高いです。ただし、全て手計算(純・理論解析)にこだわりたい場合は、その意思を尊重したテーマ・方向性を設定します。逆に「理論的考察の毛色が全くない、100%計算機任せのコンピュータシミュレーション」をやりたいならば、金川研は不適です(文責:金川)。
なぜ、どのような経緯で、金川研を選んだか
僕は「特にこれがやりたい!」という分野があったわけではなく,「車が好きだから熱とか流体に興味があるなあ,大学院まで行くし気が合う先生のところがいいなあ,何より研究室生活がストレスになるのは嫌だなあ」という感じで研究室を探しました.
金川研は,説明会後の個人面談で,金川研の良いところも悪いところも説明してくれただけでなく,何より金川先生から学生を丁寧に指導したいという熱意を感じ,ここなら手厚い指導を受けながら楽しんで研究をできそうだと思い,金川研を選びました(ヨシタカ、2017年12月1日掲載).
[補足] 原則、厳密性重視ですが、ブラックボックスとして使うことも少なくありません。例えるなら、イプシロンデルタ法には立ち入りません(文責:金川)。
文章自体は、4年生学生が書いたものですが、内容についての責任は金川にあります(文責:金川、2017年12月5日更新)。
ゼミ日誌
忘年会
金川研究室の忘年会を行いました。
理由:12月は誰もが忙しいため。
10/24ゼミ日誌
日誌@京大出張編@1日目
日誌@京大出張編@2日目
9/13ゼミ日誌
9月8日ゼミ日誌
8/31ゼミ日誌
8/25ゼミ日誌
8/18ゼミ日誌
研究テーマ
生体内流れと超音波の医療応用に向けた基礎研究:
音と泡と熱の接点にある非線形波動の物理の新境地:
3圧力2流体モデルのエネルギー方程式の導出とその数学的適切性
熱力学の新たな体系化への挑戦
8月9日ゼミ日誌
本日の食事会では、
ゼミでは、各々研究の進捗を報告した。長波長帯・
その議論をもとに、分散と散逸の両性質が、いつ、どこで、
8月4日ゼミ日誌
本日のゼミでは、前半に、第2次近似O(ε^2)の計算から導かれる R_2 に関する非同次方程式を確認し、その可解条件から永年項の抑制条件を得ること、そして、その可解条件からKdV方程式が導かれることを確認した。また、気泡流のKdV方程式の各項の係数の特徴を概観し、グラフと照らし合わせながら、各係数の符号について議論した。しかし、可解条件に対する理解は完全とはいえず、現時点では、天下りに受け入れることとした。
後半では、初期条件としての気相および液相の圧力のオーダを深く議論した。同時に、表面張力が効く気泡径を調べた。無次元化された初期液相圧力を、εのべきに一般性を持たせるべく定義し、Young-Laplaceの式の無次元化の過程を注意深く確認した。多数の疑問が生じたままではあるが、一通りの解決に至ったといえる。
この結果をもとに、長波と短波のそれぞれにおいて、どのようにパラメーターのオーダを設定すれば、上手く無次元化できるのかを考察し、両波長帯において適したオーダの一案を見出すに至った。
8月5日大学説明会
高校生向けの筑波大学(工学システム学類)説明会におきまして、金川研究室を公開します。
公開テーマ:
実験装置もPCも要らない研究?ー工学部だからこそできる「
7月28日ゼミ日誌
7月20日ゼミ日誌
7月12日ゼミ日誌
ゼミ開始前に、2週に一度の定期食事会として、
ゼミでは、気泡の球対称膨張・
7月7日ゼミ日誌
飲み会
4年生の大学院入試の打ち上げを行いました(7月4日@あじ彩)。
研究室日誌6/30
本日のゼミでは、気泡流中のKdV方程式の導出の概要について金川先生からの説明がなされ、その中で、今後の卒業研究で問題点そして大きな壁になりうることを学
日米二相流セミナー
日米二相流セミナー@北海道大学で、金川が以下の口頭発表を行いました。
Kanagawa, T., “An effective equation for fast propagation of pressure waves in compressible liquids containing microbubbles,” 2017 Japan-US Seminar on Two-Phase Flow Dynamics (2017.6.22).
6月14日
海外渡航助成
(公財)矢崎科学技術振興記念財団2017年度国際交流援助(前期)に採択されました(金川、2017年5月26日)。
専攻公開
構造エネルギー工学専攻公開において、金川研究室のポスターを掲示しました。
専攻公開
構造エネルギー工学専攻公開で、金川研のポスターを展示しました(4月22日)。
研究助成
公益財団法人日本科学協会笹川研究助成平成29年度研究奨励の会@東京に、金川が出席しました(4月21日)。
輪講2
輪講を行いました(担当:4年生A)。出た話題を、備忘録を兼ねて、項目だけ列挙します:
- 振動と波動の違い
- 波動方程式は、学類で学ぶ、2階線形波動方程式に限らない
- 微分方程式の一般解に含まれる任意性の個数
- 常微分方程式の一般解は任意定数を含み、偏微分方程式の一般解は任意変数を含む理由、および、n階線形定数係数偏微分方程式の一般解に含まれる任意変数は(n-1)変数関数であることの理由
- 偏微分演算子の変数変換、連鎖率、逆行列、極座標変換の例
- 線形波動方程式 <=> d’Alembertの一般解:必要十分であることの確認
- 無次元化と線形・非線形問題
- 特性曲線の入り口:dx/dt = c0 と定数係数である場合
- 多変数関数のTaylor展開
- 流束と密度
- (圧縮性の)流体力学(保存則)と、熱力学(構成式、状態方程式(EOS))の関係:式の本数と未知変数の過不足
- 初期値問題(IVP)、境界値問題(BVP)、初期値境界値問題
次回:特性曲線、変数係数の波動方程式、陰解、波形の突っ立ちと衝撃波
新年度
工学システム学類生向けに、金川研究室の様子を簡単に紹介します。
学会・出張関係
本年度は、国際学会への参加が多く、また、初年度のため、教員(金川)の発表ばかりです。しかしながら、次年度以降は、国内学会でも発表しますし、学生の発表を奨励します。参加に伴う旅費や参加費は全額支給します。
毎年、10月に例年開かれる「非線形波動に関する研究集会@京都大学数理解析研究所」における口頭発表は、研究室として、一つの教育目標です。また、海外における発表は、研究力のみならず、英語によるコミュニケーション能力など、さまざまな力の育成につながる考えから、積極的にサポートします。
ただし、研究では、いくら頑張っても、残念ながら、成果が得られるとは限りません。成果がなければ、もちろん、発表はできません。そもそも、研究テーマによって、相性や難易度などがありますので、勉強とは異なり、研究は平等ではありません。とはいえ、研究成果が上がらないからといって、能力がないとは限りません。
以上のような意味で、金川は、「研究室選び」や「指導教員との相性」が、極めて重要と考えています。これは、研究テーマの詳細以上に重要でしょう。
金川研は、数学を道具にして、紙とペンで研究を行います。逆に言えば、数式に嫌悪感を感じる人が、金川研で、研究を遂行することはできないでしょうし、できても楽しくはありえません(これは、決して駄目というわけではなく、もっと良い研究室がある、という意味であり、工学システム学類に相当数の先生がおられる理由も、そこにあると考えています)。
学会参加は、原則、強制はしませんが、極めて良い成果があがったときや、教育的観点から、半強制で参加を勧める場合がありえます。
* 参考例:本年度の学会参加予定(4月12日現在):
新4年生2名および金川が、福岡工業大学を訪問しました(2017年3月初旬)。
金川が、日米二相流専門家会議(Japan US Seminar on Two-Phase Flow Dynamics)@札幌に参加・発表を行います(2017年6月22日―24日)。
金川が、46TH INTERNATIONAL CONGRESS AND EXPOSITION ON NOISE CONTROL ENGINEERING TAMING NOISE AND MOVING QUIET@香港に参加・発表を行います(2017年8月)。
金川が、日韓熱流体合同会議(TFEC9)@沖縄に参加・発表を行います(2017年10月)。
* 講義関係:熱力学I、および、応用数学(前半:6月7日の中間試験まで)を担当します。
輪講
4月7日より輪講を開始しました(田中光宏、非線形波動の物理、森北、2017)。
学生居室が決定しました。
画像
熱力学を担当する時期になったという理由から、工学システム学類2年生向きに、ヘッダー画像を変更しました。同時に担当している応用数学は、残念ながら、嫌われる傾向にあるので、避けました。
金川研スタートアップ
新4年生2名と学生居室の大掃除を行いました。
研究助成(2)
平成29年度笹川科学研究助成(公益財団法人日本科学協会)に採択されました。