B3学生(早期卒業(飛び級)学生)に研究室紹介を書いてもらいました。たまたま、大晦日に受け取ったので、大晦日に更新していますが、大晦日の作業は強要していません(もちろん禁止もしていません)。追って、大学院生視点の記事も1~2月に掲載予定です(金川)。
・研究室配属時に何を基準に選んだか
私が金川研を選んだ一番の理由は,金川先生の講義を受けて,自分に合いそうだと考えたことです.金川先生の理論に対して厳密な授業スタイルが,個人的に相性がいい気がしました.
研究内容は配属後(正式な配属はもう少し後でしたが)に初めて知ったくらいなので,研究内容はあまり意識していませんでした.つまり,「この研究がしたい」という気持ちで入ったというより,これからの研究が苦にならなそうだから入ったという感じです.
ただ,私は他の研究室をほとんど調べずに決定してしまったのですが,それは良くなかった気がします.私の場合は入ったことを後悔せずに済んでいますが,これから研究室を選ぶ人はいろいろなところを見て決めるのが良いと思います.
・研究室あるいは教員との相性的なもの
先ほども書いたとおり,実験よりも理論をやりたいという私の気持ちと研究室の方針はマッチしていると思います.また,ひらめき・思い付きで研究をするのではなく,文献(論文など)を読んで根拠を持って計算を行うスタイルも合っていると思います.「実験がやりたい」「自分のひらめきで研究したい」という人や,数式が嫌い(苦手は何とかなると思う)な人には,向かない研究室です.
・学生の雰囲気
真面目な学生が多いです.先輩と話をしていても,自分の研究に対して深い理解があり,他の学生の研究についても関心を持って調べたりしている印象です.所属学生は賑やかという感じではないですが,賑やかな人が合わないということでもないと思います.研究については,金川先生とマンツーマンなので,先輩・同期との交流はあってもなくてもという感じです.
・学会見学
私はまだ学会発表の経験がありませんが,現地で見学させていただいたことがあります(交通費などは出していただきました).
さまざまな大学の研究室の発表を見学させてもらいましたが,自分の研究室というのを抜きにしても,金川研の学生の発表技術はレベルが高いと思います.専門用語や数式を多用して論文的に話すわけではなく,聴衆の前提知識を推測し,式よりも概念図を多用して発表します.また当たり前のことかもしれませんが,聴衆のほうを見て大きな声で発表していますし,スライドも見やすいです.
・普段の過ごし方
私は早期卒業生なので,他の3 年生と同様に授業を受けています.授業が終わったら帰宅し,課題や研究をします.
進捗報告などを週1 程度の面談にて行います.Teams 上で通話して行うことが多いです.また,テスト前は面談を実施せずテストに専念させてくれるので,早期卒業の人も成績がおろそかになりにくいはずです.
研究室には行っても行かなくてもいいので,基本的には自宅で研究することが多いです.夏は涼みに,冬は暖まりに研究室に行くこともあります(いいエアコンがあります)が,正直それ以上の目的で行くことはないです.
強制参加のゼミやコアタイムなどはないので,時間的拘束は最小限に抑えられます.その分,研究に精を出すも,怠けるも自分次第になるので,自己管理が大事です.
また,研究室ではときどき飲み会も開催されます.私も1 度参加したので,その時の様子を少しだけ.飲み会とは言うものの,お酒は飲んでも飲まなくてもいいという感じでした(私が参加したときはほとんどの学生が飲んでいませんでした). 参加も自由です(10 人以上の学生がいますが,参加人数は4 人でした).大盛り上がりの飲み会という感じではなく,世間話や授業・研究の話,卒業後の話などをのんびりとしている感じでした.費用は先生がすべて出してくださりました.
・厳しい、きつい面、緩い面
金川先生の講義を受けた人はわかると思いますが,かなり厳格です(学問的に).それなので,無根拠に理論を展開していくのは無理です.
また,私は英語が苦手なので,英語の論文を読むのがかなりしんどいです.金川研は他の文献から式変形や仮定の根拠を見つけ出すので,他の研究室より文献調査の割合が高いかもしれません.配属当初1 か月くらいかけて,金川研の英語論文を先生とマンツーマンで読み(新入生全員),内容以外に文法・語法等の解説があります(TOEIC の勉強では身に着かないようなこともやります).それ以降は基本的に独力で読むこととなり,私にとってはそれが一番辛いです.
また,かなり煩雑な式(人によっては100 項以上の計算)が出てくるので,数式嫌いの人にはかなりきついです.
逆に研究以外のことは緩いです.週1 ペースの面談(定期試験前はなくなる場合も多い)以外は基本的に先生からは放置という感じです.ただしTeams のチャットで相談や質問は可能です.
・身につくと思われる、身についたもの
まず,正しい情報を取得し,利用する能力がつきます.先ほども言ったように,論文調査をかなり行わなければなりません.「どんな仮定に基づいた理論なのか」「この仮定ではどの式が使えるのか」「論文A と論文B の式の違いは何なのか」など理系大学生が身に着けるべき能力が得られると思います.
また,これも前述しましたが,学会発表の経験は就職後のプレゼンなどに生かすことができます.聴衆に伝わるような発表方法,見やすく理解しやすいスライドづくりなどを先生の指導の下で学ぶことができます.
私を含めたB3 は講義を重視しますが,金川研ではM2 までに国際一流誌に論文を書くこと,英語での国際会議発表を目標としているようです.先輩方はほぼ全員が達成しています.私自身も大学院進学後に自分の研究を国際誌に載せ,科学の世界に名前を残すことは理系大学生として是非とも達成したいです(B3).