2026年5月28日、共立出版より、金川の拙著『熱力学:工学の基礎を深く丁寧に学ぶために』(A5・320頁、3,850円)が刊行されます。
2014年度から13年連続で担当している、筑波大学工学システム学類2年生向けの「熱力学(3単位)」の講義資料を、教科書としてまとめあげたものです。これまでの講義の集大成として、ようやくここまで来ました。
金川の研究分野は圧縮性の流体力学であり、熱力学を道具として用いるものの、熱力学は厳密には専門外でした。学生時代にも、深い理解には至っていませんでした。2014年度の着任時、思いがけず「熱力学」の講義を担当することになり、これが熱力学と本格的に向き合うきっかけでした。講義準備を重ねる中で、熱力学の深さを体感し、中でも学生時代に学ぶ機会のなかった一般関係式の世界には強く心を惹かれました。
その体験を反映したのが本書です。数式展開の「手順」だけでなく、その背後にある「動機」「考え方」「発想」をくどい位に書き込みました。第13〜15章の熱力学ポテンシャルから一般関係式に至る展開には、50頁を割き、独自の構成を試みています。
工学・理学系の教科書としてはもちろん、独学にも使えるよう、講義の口調をある程度残しています。熱力学を学び直したい方、専門外から挑戦したい方にも開かれた一冊を目指しました。ただし、問題演習型の構成ではありません。
講義用の配布資料として始まり、毎年の改訂を重ねて、ここまで形にできました。本書を経て、講義そのものもまた変わってゆくはずです。教科書化は到達点ではなく、これが、工学システム学類の講義「熱力学」の新たな出発点と考えています(金川哲也)。
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