研究室配属を検討中の工学システム学類の現B3学生を想定し、学生目線での研究室紹介を書いてもらいました。ただし、著者は早期卒業(飛び級制度)で配属されたB3学生であり、B4の指導方針は、早期卒業B3の指導方針(並行履修中の講義を重視)とは若干異なり、(未取得単位がなければ)早期から研究(基礎としての勉強も含む)に集中させ、アウトプットを重視する方針です(金川)。


今年の5月に金川研究室に配属された自分の方から、研究室の雰囲気やなぜ金川研究室を選んだのか、ということについて簡単に紹介をさせていただこうと思います。(早期配属ということもあって一部皆さんの参考にならない部分もあるかと思いますが、ご了承ください。)

・金川研を選んだ理由
 入学当初はこれといって特にやりたいこともなく、筑波大学の工学システム学類についてはどんなことをしているのかということを調べることもなく入学してしまったので、当初は漠然とエネルギー問題について学ぶことができたら良いな、くらいの思いだった気がします。
 そこから2年後、大学生活を送る中で研究室選びは「やりたい事も重要だが、指導教員との相性も同じくらい重要」だということ、「研究室の方針が自分とあっていること(例えば自発的に取り組めない人にとってはコアタイムを設けている研究室の方が良いと言えるし、逆に自分の好きな時間に研究したいという人にとっては、拘束の少ない研究室の方があっている可能性が高いなど)」など、必ずしも自分の興味だけで安易に決めない方が良いことに気付かされました。そんな中で金川研は、先生が無闇に拘束してくることはほとんど無く、過去に金川先生の授業を履修していて教え方等が非常に良いと感じたので、相性もさほど悪く無いのでは、と思い、候補の一つに入れた気がします。また、この頃はエネルギー問題に取り組みたい、という思いもほとんど消えていました。(電気分野は他の分野(熱力学や材料力学など)と比べて難易度の高い学問だと感じ、挫折したため諦めた)
 他にもいくつか良さそうだと感じた研究室の見学にも行きましたが、その中から金川研を選んだ理由を以下に簡単に述べます。
1. 理論計算が多く、いつでもどこでも研究できるため、場所や時間を選ばない点
2. 研究テーマがややマニアックなので、スピード命な研究室ではない。(流行の研究は当然研究している人も多く競争率も高いので、成果を素早く出さないといけないプレッシャー等も多いと思います。ただし、その中で成果を出せば、かなりの注目を浴びる可能性があるなどメリットもたくさんあります。ここでは決して流行の研究テーマを批判しているわけではないし、それぞれの良さもあるので、人によってこの辺りの考え方は様々だと思います。)僕自身はプレッシャーや期待をかけられ過ぎるのがあまり好きではないので、割とあっていると感じました。
3. 流体力学自体、それほど嫌いではなかった。(1、2年で色々な科目を履修していましたが、流体力学の授業は退屈に感じることは少なかったと思います。)

上記のような理由から、最終的に金川研に配属することを決めました。研究室選びは今後の人生を左右する可能性もあるため、皆さんも様々な研究室を訪問し、できる限り指導教員とそこの研究生(院生、学部生)から直接話を聞いて、自分の相性に最もあいそうな研究室を選ぶことを勧めます。

・研究室を選ぶ点で、僕個人が重要だと思う点
自分の興味のある研究をしている研究室を選ぶことも勿論非常に重要な点の一つだと思いますが、上記でも触れたように「指導教員との相性」や「研究室の方針が自分にあっているか」といったこと等も重要な観点であると僕は思います。例えば自分の興味のないことでも、周りの環境が良かったり、一緒に過ごす人と自分の相性が良ければ、何だかんだ人はそのことを続けることができたり、嫌に感じることも少ないと思います。逆に周りの環境が自分にあっていなければ、興味のあったことでもだんだんやる気が削がれて、嫌になってしまうこともあると思うので、この辺りはよく考えた方が良い点だと思います。

・研究室や学生の雰囲気について
 実は僕自身、研究室には今までで2回しか行ったことがなく(1回は先生が買ってくれた購入品を取りに行き、2回目は参考書を見に行っただけで両方すぐに帰った)、その2回とも研究室メンバーの誰とも会わなかったので、この辺りはよく分かっていません。先輩方も気が向いたら行くという人が多い印象があるので、基本人は少ないと思います。ただ、研究室にはソファや大規模なエアコン、冷蔵庫等もあるので、不便に感じることは少ないと思います。
 学生の雰囲気についても、直接顔を合わせる機会が滅多にないので正確など詳しいことは良く分かりませんが、大学での生活等や、研究についてよく分からないことをTeamsのチャットで送ると、皆さん親切に応えてくれるので、僕個人は不満など一切感じないです。ただ、金川研のメンバーは先生も含め研究に真面目なため、遊びや交流に重きを置きたい人には合致しないと思います。一方、現地での学会発表がある際には、研究室のメンバーでご飯を食べに行ったり、それ以外にも飲み会(丁度12月中旬に3年ぶりに開催されたそうです)が開催されたこともあるので、決して交流できないわけではありません。学生のみのゼミを行うこともあります。また、全て任意であるため、参加したくない、あるいは用事があって参加できない場合は無理に参加する必要もない(実際僕自身は12月の飲み会は用事と被っていたので不参加でしたが、先生や先輩から責められることなど全くなかったですし、学生は計11名中4名という低参加率で、前日や当日のドタキャンまであったらしいですが、それでも何も問題にならない位の緩さです)ので、この辺りはかなり緩いというか、人間関係の構築についてはかなり自由にできると思います。

・学会など
 僕自身はまだ学会等で発表を行なった経験はありませんが、先生に頼めば興味のある学会や先輩方が出る学会の見学には連れて行ってもらえることもあります。僕自身も一回、聴講者として学会に参加しましたが、モチベーションを上げるという意味でも参加して良かったと感じました。聴講だけでなく、発表をしたいという人も、先生に頼めば積極的に色々な学会に参加させてもらうこともできるので、研究に真面目に取り組みたいという人にはお勧めできる研究室だと思います。

・普段の生活
僕自身は卒業するために必要な単位が全然揃っていないということもあり、普段は授業と課題を優先して、空いている時間があれば研究をするという形をとっています。先生も授業を優先させてくれるので、単位を落としそうという心配もしなくてよかったのは良い点の一つだと思います。(訳もなく研究を長時間サボっていると先生に叱られるのかもしれませんが、就活や授業などで研究への時間が十分に取れなくても理不尽に叱ってくることはありません。)また、アルバイトやサークル活動なども禁止ということはないので、ある程度自由はあると思います。(勿論、特別な理由もなく、それらの活動ばかり優先させて研究をしないというのはアウトな気もしますが)

・身につく能力など
僕自身は上記でも述べたようにまだ学会発表等の経験はないのですが、金川研は研究に力を入れているので、「プレゼン能力が身につく」「大人数の前で上手く発表する」「論文の執筆が上達する」など、将来でも役に立つ可能性の高い有用なスキルはそれなりに身につくと思います。

いくつかの項目を簡単に紹介するという形をとったので、金川研について詳しく紹介することは今回できませんでしたが、配属を考えている人への参考になれば幸いです(B3)。