公益財団法人JKA(競輪・オートレース)の2024年度複数年研究補助事業(2024M-529、2024〜2025年度)が完了しました。
水管の損傷抑制と管壁洗浄の両立を目指し、気泡を利用したハイブリッド技術のための理論的基盤を構築しました。水中に気泡を混入することで、損傷を招く衝撃波を安全な音響ソリトンという波に変換して損傷を回避しつつ、衝撃波の散逸効果を管壁の洗浄にも活用するという構想です。本事業では、前身の若手研究(2022年度)で構築した直管の理論を、実際の配管形状(縮小・拡大断面)や気泡間相互作用を含む現実的な条件へと拡張しました。
具体的には、(1)縮小拡大管内の気泡流について圧力波の発展を記述する方程式を導出し、管の断面積変化が液相粘性や気泡の熱的減衰とは独立した新たな減衰要因であることを明らかにしました。(2)気泡間相互作用を方程式に組み込み、相互作用が圧力波の非線形性と散逸性を増大させることを示しました。(3)圧力波の線形伝播特性(音速・減衰)を複数の伝播モードについて網羅的に整備しました。これらにより、圧力波が衝撃波とソリトンのどちらに発展するかの予測のための理論的基盤が整備されました。
また、理論枠組みの汎用性から、火山噴火時の発泡マグマ中の波動伝播、超音波診断・治療に用いる被膜気泡の音響特性、多孔質媒質の音響特性、への展開も達成しました。
2年間で国際誌(全てQ1誌、うち6編がtop 10%誌)に計8編を掲載、学会発表30件超、受賞16件超がありました。
【掲載論文】
- Watanabe et al., Int. J. Multiphase Flow 186 (2025), 105138. https://doi.org/10.1016/j.ijmultiphaseflow.2025.105138
- Hemmi & Kanagawa, Results in Engineering 25 (2025), 103752. https://doi.org/10.1016/j.rineng.2025.103752
- Kanagawa & Nakamura, Ultrasonics 146 (2025), 107487. https://doi.org/10.1016/j.ultras.2024.107487
- Kurata et al., Physics of Fluids 37 (2025), 043338. https://doi.org/10.1063/5.0251612
- Ogi et al., Int. J. Multiphase Flow 193 (2025), 105392.
- Sakuma et al., Physics of Fluids 38 (2026), 033345. https://doi.org/10.1063/5.0302176
- Fukuya et al., Physics of Fluids 38 (2026), in press.
- Kawahata & Kanagawa, Physics of Fluids 38 (2026), in press.
本事業はJKA競輪補助金(2024M-529)の助成を受けました。

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