少々時期が早いのですが、工シス学類3年生向けに、研究室配属情報を列記してみます。随時更新予定です(金川)。


  • <研究手法> 理論的(数学的)手法による物理現象の解明を行っています。
  • 数値計算も行いますが(2人に1人程度。希望を尊重)、手計算で出来る限界まで、手計算で挑みます。数学的手法で研究を行いたい人におすすめです。
  • 実験は行いませんが、直接的に行わないだけであり、重要です。先行実験との比較など、実験事実を重視します。物理は実証科学だからです。その反面、実験では手が届かないような現象(例:宇宙空間)に対する理論予測というテーマや、実験事実が蓄積されているけれども理論的・数理的理解が進んでいないテーマを選ぶことも多いです。つまり、理論的手法を使うことに拘っています。
  • <研究対象> 圧縮性流体力学、および、混相流ですが、学類科目にないので、ピンとこないかと思います。
  • 圧縮性流れというと、「気体力学」のような、超音速といった航空宇宙を思い浮かべるかもしれませんが、音波(マッハ数が小さいけれども圧縮性を無視できない亜音速流れ)を扱っています。オーディオや会話などとは異なり、比較的強力な超音波です。音波の弱い非線形効果の物理的解明と工学応用を守備範囲とする「非線形音響学」という比較的新しい(?)学問領域に属します。
  • 混相流は、固液気の多相が混在した流れであり、たとえばコロナウイルスの飛沫の問題など、身近な現象といえます。主に気泡を含む流れを扱っていますが、そんなに気泡だけへの拘りがあるわけでもありません。
  • 「キャビテーション」というキーワードにも合致し、高速の水の乱流にも合致します。
  • 過去に固体力学を扱ったことがあります。燃焼も扱う予定です。
  • 一応用先として、生体内流(軟組織や血流)が挙げられます。固体力学も、生体組織の観点から取り組んでいます。
  • 関連する学類科目でいうと、流体力学と熱力学がメインですが(とはいえゼロから勉強してもらうので、履修如何は問いませんし、あてになりません)、振動工学や材料力学も守備範囲です。ただ電磁気は扱っていませんし、扱う予定はありません。
  • <指導の方法> 1対1で週一の頻度でTeamsで面談します。
  • 研究室でやっても、自宅でやっても、図書館でやっても、なんでも構いません。研究室以外でやる人が多いです。研究室は人が少なく、静かです。自主的にやれる人に向いています。
    過去に、研究をサボる人はほぼいませんでしたが、サボっている場合は、それも自由として、ある程度は放置します。あまりにもサボっていると、理由を聞き、考え方を改めさせます。
  • 研究と勉強は異なりますが、金川の指導スタイルは、講義(熱力学・応用数学)に似た感じと捉えている学生が多いようです。つまり、答案の内容や書き方については妥協しませんが、勉強の方法については任せています。
  • うまくいかないのが普通ですので、進捗については厳しいことは言いませんが、あまりにもやっていない/進んでいないと、口をとがらせることはありました。
  • 論文や学会発表等で、作文やプレゼンを指導しますが、これは厳しいと感じている学生もいるようです。一字一句について理屈で問い詰めるスタイルです。
  • 精神論は基本的に言いません。良いか悪いかは不明です。理想論で指導するのではなく、現実志向の指導方針です。
  • ゼミを行いません。いわゆる公開処刑は意味がないと思っていることから、厳しいことは、直接個別に伝えています。
  • 理論系の中でも、厳密性を重視する人に向いています。発想やアイデアでやりたい人は、向かないかもしれません。大量の手計算を行います。
  • 理論解析メインと書きましたが、徐々に、数値計算の占める割合が高くなりつつあります。
  • コロナ以前とコロナ以後で、あまり変わっていません。効率化が促進されました。
  • <PR?> 雑用がありません。国内の研究室としては異端ではないかと思います。研究と勉強以外にやることがありません。
  • 国内で、混相流の理論研究に特化している研究室は、現在は、金川研以外にないと把握します。その一方、海外では基礎理論研究が盛んです。混相流は実学に直結する分野であり、その基礎理論に携わることは、極めて有益と考えます。なお、乱流など、混相流以外の流体関係分野は、国内でも理論研究は盛んと認識します。
  • 早期に成果を出します。B4時に査読付き雑誌論文を通した例が1件、また、殆どの学生が就活前のM1時に論文を書いています。論文の次に国際会議も重視しています。この1~2年は、学会よりも論文を重視しつつあります。
  • 卒業生の全員が表彰を受けています。雑誌論文(多くは国際一流誌)を筆頭著者で書いています。JASSO第1種奨学金の貸与者は全員返還免除を受けています。学振特別研究員DC1にも現時点で全員採用されています(M1から配属された学生も、M1の間に論文を書き、DC1に採択されました)。
  • たまたまでしょうが、学生の人物・性格は、温厚派が多いです。活発な人を歓迎しないわけではないですが。
  • 良いことかはわかりませんが、全員、成績が優秀です。ただ、成績優秀であることと、研究でも成果を残せるかというと、絶対的相関はありません。勉強面でも強固な協力体制を築けるかもしれません
  • 恐らく、真面目な人にとっては、居心地は良いと思います。
  • 流行りの研究を行いません。誰もやっていないこと、他の人がやりたがらないことを、あえてやっているつもりです。この方針が一般に良いか否かは不明ですが、こういう研究をやっていることは、自己PRにおいて有利に働くと推測します。例年、極めて意欲の高い学生が希望し、配属されていることから、流行りに流されない学生に向いているかもしれません。
  • 雑多な状態ですが、一旦掲載します。続きを随時更新する予定です。