新井秀弥(B4)が筆頭著者の論文が、Journal of the Physical Society of Japan (IF=1.828, CiteScore = 3.0) から出版されました。
抗力を受ける並進気泡を多数含む水流(気泡流)中を伝わる圧力波の減衰を招く要因として、従来認知されてきた熱伝導と音響放射に加え、抗力減衰を考慮した非線形数理モデル(弱非線形波動方程式)を、二流体モデルに基づく体積平均化基礎方程式系を用いて導きました。さらに、導かれた方程式を、400周期にわたる数値計算によって解き、散逸の要因を定量的に比較しました。気泡に働く抗力が(流れのみならず)『圧力波の』散逸を招くこと、気泡の並進運動が圧力波の非線形性を増大させることを始めて指摘した、Yatabe, Kanagawa & Ayukai (Phys. Fluids, 2021.3) の発展形です。今後、揚力や重力など気泡に働く多種多様な力の『圧力波への』寄与の理論的検討や、強非線形問題・大規模数値計算への拡張をすすめます。