渡部健人(M2)が九州大学の津田伸一先生との共同研究のため、2週間の短期留学をさせていただきました。渡邉聡先生、高峯大輝先生、流体制御研究室の皆様にも大変お世話になり、誠にありがとうございました。以下は渡部による滞在記です(金川)。


金川研修士2年の渡部です。5月19日から6月3日までの2週間余り、九州大学の流体制御研究室を訪問させていただきました。今回の訪問の目的は、「極低温流体中に生じるキャビテーションのCFD(数値流体力学)」に関して、津田伸一先生から、専門的な知見を共有していただくことでした。

私自身、卒業研究では別のテーマに取り組んでいましたが、B4の1年間でなんとか論文として発表できるレベルの成果を出すことができました。そこで、修士課程の2年間で取り組む新たな研究テーマを探していたところ、「キャビテーション」という現象に強く惹かれました。研究室の先輩方が数値計算に取り組んでいたこともあり、私もCFDに挑戦してみようと決意した次第です。しかし、金川研では、これまでキャビテーションのCFDを専門とする者がおらず、モデリングから計算ソフトウェアの操作、各種計算条件の設定に至るまで、全てをゼロから学ぶ必要がありました。そうこうしているうちに修士1年目があっという間に過ぎ、このままでは卒業が危ぶまれる状況に陥ったため、キャビテーション研究をご専門にされている当該研究室を訪問させていただくことになった、という経緯です。

前置きが長くなりましたが、実際に滞在してみての感想は、「非常に有意義な時間だった」の一言に尽きます。急な訪問にもかかわらず、受け入れ先の津田先生は勿論、渡邉聡先生と高峯大輝先生そして学生の皆様が大変温かく迎え入れてくださり、非常に居心地の良い環境でした。私がこれまで行ってきた研究内容を報告すると、的確なアドバイスをいただくことができ、また学生同士でも毎日活発な意見交換が行われました。初歩的な質問にも丁寧に教えてくださり、大変感謝しています。加えて、普段とは全く異なる研究環境に身を置けたことは、私にとって非常に良い刺激となり、研究面でも多くの貴重な知見を得ることができました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

この訪問を通じて、「自分が興味を持ったことを追求し続け、全力な姿勢を見せることができれば、意外と何とかなるものだし、相手方もその熱意に応えてくれる」ということを学びました。私自身、研究室に前例がない中で、「もし行き詰まったらどうしよう」と考えることもありました。しかし、AIの普及など、今の時代は一人でも意外と研究を進められる環境が整っています。もちろん、一人で抱え込まずに人に頼ることも重要ですが、その際は自分の考えや課題を明確に伝え、自身の真剣な姿勢を示すことで、相手も具体的なアドバイスをしやすくなり、協力的な対応をしてくれるのだと実感しました。実際、私もゼロから始めて1年で、なんとか専門家の方々と議論できるくらいには成長できました(まだまだ未熟ではありますが)。

短い期間ではありましたが、非常に多くのことを学ぶことができた2週間でした。残り半年余りですが、この経験を活かし、良い結果を出してお世話になった方々に恩返しできるよう、精一杯努力したいと思います(渡部健人)。

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