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「研究教育日誌」カテゴリーアーカイブ
金川研日誌(8/5)
今年2月に配属された学類4年生に日誌を書いてもらいました。日本に来て4年目の留学生であり、日本語に不慣れな面がありますが、当該学生の個性が映えるよう、科学的に明らかな誤り以外はあえて直さずに掲載することとしました(金川)。
こんにちは、私は現在金川研究室のB4です。今やっているテーマは「リン脂質シェル(phospholipid shell)の座屈(buckling)と破裂(rupture)による、(多数気泡を含む液体の中に)超音波の伝達にどんな影響がありますか」です。
実は、金川研究室を選択した時、私の注意を引き付けたのは、このテーマというよりも、金川研究室で使用している手法: 摂動法(perturbation theory)と多重スケール解析(multiple scale analysis)でした。高校と大学(数学系と物理系以外)を学んだ数学は、「精密科学」(exact science)です。私に対して、「精密科学」は「真」を持ちます。一方で、摂動法と多重スケール解析は「近似数学」(approximate mathematics)です。近似なので、100%ただしい解を得ることが必要がなくて、自由度がもっと高くて、もっとクリエイティブな解き方もできます。その上、精密解を得ない問題には、近似解のおかげで、たくさん情報を得られます。わたしに対し、「近似数学」は「真」だけでなく、「美」も持ちます。関心する人はYoutubeに「Prof. Carl Bender – Mathematical physics」の授業をご覧でください。
私は、まだ「超音波の伝達」の知識が深いというまでもないですが、「この世界を解決する一つのステップ」ですので、熱心に研究します。自分の興味は、頭の中で「物理、数学、化学の世界」を作ることです。その結果、先生や先輩らや友達(他の専門も)などとアイデアや意見を交換する時、子供がおもちゃをジャグリングするように喜びます。特に、私のアイデアと意見を否定・批判される場合にも、私は悲しくはありません。理由は、私に対して「科学について話すだけ」ですので、自分のエゴに関連までもないと思うからです。そのために、いつにも科学のアイデアを楽しんで交換することができます。(例としてFun to Imagine – Richard Feynman)
楽しんで研究をやりますが、責任を持たなければなりません。科学・エンジニアは継承性があるので、(私に対して)研究するとき、前の研究者や現在の研究者の頭の中の世界を一歩一歩で探検していると感じます。そのために、自分の結果を責任を持つのは自分だけでなく、前の研究者、他の研究者、「真」、「美」を尊敬すると思います。
現在、上記の気持ちで学会に向けてスライドや背景の知識を準備します。心配もありますが、他の学生、他の先生の研究・アイデアを聞けるので面白いと思います。将来的には、違う教育制度、違う考え方の他国の学生・先生にも会ってみたいです(B4)。
金川研のアカウントを作成しました。HPとの住み分けは考え中で、研究室以外に、講義や金川個人のことも発信しようかとも思っています。また、HP内に埋め込めたいのですが、サイトの他の不具合のメンテも含め、手が回っていません。
研究室日誌
12月12日に金川研の忘年会が駅前の塚〇農場で行われた.M1の就活やB4・M2の卒論の忙しさを考慮し早めに日程が決定され,8名(M1の2名が都合がつかず不参加)での開催となった.筆者は3回目の金川研忘年会だが,メンバーも増え忘年会にも盛り上がりが出てきたことは大変喜ばしい.いつもは金川先生が店員さんを質問攻めにしながら料理をオーダーしていたが,今回はコースで予約していたようで,料理はどれもおいしくお酒も進んだ.前週にサンディエゴで開催された国際学会の話題になると,早期卒業生で国際学会に初チャレンジしたB3のマイペースな珍行動エピソードが全員の爆笑を誘った.学会の出張は毎回一部の学生+金川先生で行っているが,その時のエピソードを飲み会の場で面白おかしく他のメンバーに話すのは恒例行事と化してきていて,学会参加が多いため2時間の飲み会でネタが尽きることはない.なお,今回は金川先生提案で初めて2次会が開催され(Bivi内の居酒屋),M2(筆者も)とM1が2名ずつ,計5名が参加した.筆者は(眠かったため)2次会への参加を始めは渋っていたが,1次会で席が離れていてあまり話せなかったM1の2名と2次会で結構話せたので,今後の開催も有りかもしれないと考えを改めた(筆者は3月で卒業するが).金川先生はバスの時間があるとのことで,最後にプリンを飲むような勢いで召し上がってお店を後にされた(なんと2次会代は全額出していただきました,ありがとうございます).学生4名もその後30分ほどでお開きとなり,23時頃帰宅の途についた(大変健全な研究室である).文責:ヨシタカ
国際学会参加記
178th Meeting of the Acoustical Society of America (米国音響学会秋季研究発表会)@米国カリフォルニア州サンディエゴ、2019年12月2日から6日に参加し、学生5名と金川が Physical Acoustics セッションにて口頭発表を行いました。
(金川)
12/6に行われた米国音響学会秋季大会にて発表を行うため、12/2から12/7までアメリカのサンディエゴへ行きました。
私はこれまで国外に行ったことがこれまで無かったので、飲食店で料理を注文したりバスに乗れるかなどを心配していましたが、杞憂でした。アメリカの人々はとても親切で、自分の拙い英語を理解しようと努めてくれたり、バスの乗り方を教えてくれたりしたので、安心して観光することができました。観光した場所は、海軍航空博物館、自然史博物館、人類博物館、シーポートヴィレッジ(海岸の綺麗なショッピングモール)、オールドタウン州立歴史公園(開拓時代の町並みが再現されている公園)などです。食事は、アメリカらしいものを食べたいと思っていたので、ハンバーガー、ステーキ、ブリトーなどを頂きました。アメリカの食べ物は不味い?と思っていたのですが、全くそんなことはなく、濃いめの味付けでとても美味しかったです。
自身にとっては2度目の国際学会ですが、一度目の国際学会は仙台でしたので、国外で行われるものに参加したのは初めてでした。発表会場は、大変歴史ある、ゴージャスな雰囲気が漂うリゾートホテルでした。(なんと築130年!)発表自体は2度目でしたので落ち着いて発表することができましたが、ネイティヴの英語はTOEICよりも圧倒的に早口で、質疑応答では一度で聞き取ることができずに何度も聞き返してしまいました。来年度の国際学会に向けて、リスニング力の強化が課題となりました。
発表後は、全員で近くのシーフードレストランへ行き、昼食をとりました。サンディエゴは港町ということで海鮮がとても美味しく、ムール貝やタコ、カジキなどをたくさん頂きました。ただ、先生一押しの生ガキだけはどうしても口に合いませんでした。せっかくオーダーしていただいたのに、申し訳ないです。お会計の大部分を先生に出して頂きました。ごちそうさまでした。 (学生)
学会参加記
10月17、18日と京都大学数理解析研究所での非線形波動の研究集会に参加し、私の行っている卒業研究の途中経過を発表した。 私にとっては初めての研究発表であり、緊張や不安しかなかったが、事前のスライド作りや発表練習などで、金川先生のアドバイスを多数もらえていたために、発表自体には大きな失敗はなかったと思っている。しかし、質疑討論では、聴講者だった先生方からの質問に対して、ちゃんと答えられたものはほぼなく、金川先生の助け舟に頼り切ってしまう部分が多く、自分の研究内容や、金川研の研究背景に対する知識の少なさや理解不足を痛感した。 今回の研究発表に参加したことで、上述の理解不足を認識できた他、4年生の現段階で研究発表を行ったことがあるという経験が、卒業研究に対するモチベーションをかなり高めてくれたので、今後の研究により邁進していきたいと思う(4年生A)。
卒論発表会・打ち上げ兼新歓
新B4に卒論発表会の感想と打ち上げ兼新歓の感想を書いてもらいました。
現4年生の卒論発表を来年金川研究室に配属予定の現3年生である私と同期で聞きに行った。率直の感想としては卒論の内容がとても難しく、来年の同時期に私たちも同じような卒論発表をすることができるのかどうかとても不安を感じた。しかし、私たちも先輩二人のような立派な卒論発表が1年後にできるように頑張ろうというモチベーションを得ることもでき、今後が楽しみにもなった。(文責:M)
2/16に卒論発表会の打ち上げ会、
卒業論文発表会の打ち上げ、兼、新4年生の歓迎会を行いました(2月16日@塚田農場@クレオスクエア)
金川研究室は、研究や勉学への曖昧な態度は許容しないかわりに、研究進捗や日常生活は学生の意思を尊重していますが、総勢5名となったことで、ある程度は賑やかになり、研究以外の面において盛り上がることに期待しています。初年度は、金川が飲み会の全てを企画しましたが、以後は金川からは何も提案しないつもりです(金川)
ゼミ日誌
10/24ゼミ日誌
日誌@京大出張編@1日目
日誌@京大出張編@2日目
9/13ゼミ日誌
9月8日ゼミ日誌
8/31ゼミ日誌
8/25ゼミ日誌
8月9日ゼミ日誌
本日の食事会では、
ゼミでは、各々研究の進捗を報告した。長波長帯・
その議論をもとに、分散と散逸の両性質が、いつ、どこで、
8月4日ゼミ日誌
本日のゼミでは、前半に、第2次近似O(ε^2)の計算から導かれる R_2 に関する非同次方程式を確認し、その可解条件から永年項の抑制条件を得ること、そして、その可解条件からKdV方程式が導かれることを確認した。また、気泡流のKdV方程式の各項の係数の特徴を概観し、グラフと照らし合わせながら、各係数の符号について議論した。しかし、可解条件に対する理解は完全とはいえず、現時点では、天下りに受け入れることとした。
後半では、初期条件としての気相および液相の圧力のオーダを深く議論した。同時に、表面張力が効く気泡径を調べた。無次元化された初期液相圧力を、εのべきに一般性を持たせるべく定義し、Young-Laplaceの式の無次元化の過程を注意深く確認した。多数の疑問が生じたままではあるが、一通りの解決に至ったといえる。
この結果をもとに、長波と短波のそれぞれにおいて、どのようにパラメーターのオーダを設定すれば、上手く無次元化できるのかを考察し、両波長帯において適したオーダの一案を見出すに至った。
8月5日大学説明会
高校生向けの筑波大学(工学システム学類)説明会におきまして、金川研究室を公開します。
公開テーマ:
実験装置もPCも要らない研究?ー工学部だからこそできる「
7月28日ゼミ日誌
7月20日ゼミ日誌
7月12日ゼミ日誌
ゼミ開始前に、2週に一度の定期食事会として、
ゼミでは、気泡の球対称膨張・
7月7日ゼミ日誌
飲み会
4年生の大学院入試の打ち上げを行いました(7月4日@あじ彩)。
研究室日誌6/30
本日のゼミでは、気泡流中のKdV方程式の導出の概要について金川先生からの説明がなされ、その中で、今後の卒業研究で問題点そして大きな壁になりうることを学
6月14日
専攻公開
構造エネルギー工学専攻公開で、金川研のポスターを展示しました(4月22日)。
研究助成
公益財団法人日本科学協会笹川研究助成平成29年度研究奨励の会@東京に、金川が出席しました(4月21日)。
輪講2
輪講を行いました(担当:4年生A)。出た話題を、備忘録を兼ねて、項目だけ列挙します:
- 振動と波動の違い
- 波動方程式は、学類で学ぶ、2階線形波動方程式に限らない
- 微分方程式の一般解に含まれる任意性の個数
- 常微分方程式の一般解は任意定数を含み、偏微分方程式の一般解は任意変数を含む理由、および、n階線形定数係数偏微分方程式の一般解に含まれる任意変数は(n-1)変数関数であることの理由
- 偏微分演算子の変数変換、連鎖率、逆行列、極座標変換の例
- 線形波動方程式 <=> d’Alembertの一般解:必要十分であることの確認
- 無次元化と線形・非線形問題
- 特性曲線の入り口:dx/dt = c0 と定数係数である場合
- 多変数関数のTaylor展開
- 流束と密度
- (圧縮性の)流体力学(保存則)と、熱力学(構成式、状態方程式(EOS))の関係:式の本数と未知変数の過不足
- 初期値問題(IVP)、境界値問題(BVP)、初期値境界値問題
次回:特性曲線、変数係数の波動方程式、陰解、波形の突っ立ちと衝撃波
新年度
工学システム学類生向けに、金川研究室の様子を簡単に紹介します。
学会・出張関係
本年度は、国際学会への参加が多く、また、初年度のため、教員(金川)の発表ばかりです。しかしながら、次年度以降は、国内学会でも発表しますし、学生の発表を奨励します。参加に伴う旅費や参加費は全額支給します。
毎年、10月に例年開かれる「非線形波動に関する研究集会@京都大学数理解析研究所」における口頭発表は、研究室として、一つの教育目標です。また、海外における発表は、研究力のみならず、英語によるコミュニケーション能力など、さまざまな力の育成につながる考えから、積極的にサポートします。
ただし、研究では、いくら頑張っても、残念ながら、成果が得られるとは限りません。成果がなければ、もちろん、発表はできません。そもそも、研究テーマによって、相性や難易度などがありますので、勉強とは異なり、研究は平等ではありません。とはいえ、研究成果が上がらないからといって、能力がないとは限りません。
以上のような意味で、金川は、「研究室選び」や「指導教員との相性」が、極めて重要と考えています。これは、研究テーマの詳細以上に重要でしょう。
金川研は、数学を道具にして、紙とペンで研究を行います。逆に言えば、数式に嫌悪感を感じる人が、金川研で、研究を遂行することはできないでしょうし、できても楽しくはありえません(これは、決して駄目というわけではなく、もっと良い研究室がある、という意味であり、工学システム学類に相当数の先生がおられる理由も、そこにあると考えています)。
学会参加は、原則、強制はしませんが、極めて良い成果があがったときや、教育的観点から、半強制で参加を勧める場合がありえます。
* 参考例:本年度の学会参加予定(4月12日現在):
新4年生2名および金川が、福岡工業大学を訪問しました(2017年3月初旬)。
金川が、日米二相流専門家会議(Japan US Seminar on Two-Phase Flow Dynamics)@札幌に参加・発表を行います(2017年6月22日―24日)。
金川が、46TH INTERNATIONAL CONGRESS AND EXPOSITION ON NOISE CONTROL ENGINEERING TAMING NOISE AND MOVING QUIET@香港に参加・発表を行います(2017年8月)。
金川が、日韓熱流体合同会議(TFEC9)@沖縄に参加・発表を行います(2017年10月)。
* 講義関係:熱力学I、および、応用数学(前半:6月7日の中間試験まで)を担当します。
輪講
4月7日より輪講を開始しました(田中光宏、非線形波動の物理、森北、2017)。
学生居室が決定しました。
画像
熱力学を担当する時期になったという理由から、工学システム学類2年生向きに、ヘッダー画像を変更しました。同時に担当している応用数学は、残念ながら、嫌われる傾向にあるので、避けました。